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温家宝首相、日本メディアの共同取材を受ける
2007/04/04
 温家宝首相は4月4日、日本公式訪問を前に、中南海紫光閣で日本経済新聞、朝日新聞、共同通信、NHKなど日本のニュースメディア16社の北京特派員による共同取材に応じ、質問に答えた。一問一答次の通り。  温首相:皆さん、おはようございます。日本訪問を前に、皆さんの取材を受けることを嬉しく思っています。今回の訪日では責任の重大さを強く感じ、一種の使命感をもっています。中日関係はいま大事な時期を迎えており、私たちは共に努力して、両国関係を前進させなければなりません。両国の記者にも関係促進のため少しでも多く努力するよう希望します。ここで質問にお答えしようと思います。  記者:きょうは温首相が多忙な中、このような機会を与えて下さったことに心から感謝する。日本に対する印象と今回の訪問への期待を語っていただきたい。日本の指導者と国民にどのようなメッセージを伝えたいとお考えか。  温首相:今回の訪問が成功を収め、本当に「氷を溶かす旅」になることを期待している。日本の指導者と両国関係の大きな問題について共通認識を得て、両国関係を促進することを期待している。日本人民と接触し、日本についてもっと理解し、日本人民にももっと中国を理解してもらい、相互信頼と友情を増進することを期待している。  15年前に訪日したが、あの時も桜が満開だった。日本が繁栄、発達しているのを目の当たりにし、勤勉で英知のある日本人民の品性と革新、進取の精神を感じることもできた。だが日本についてより多くの知識は歴史から学んだものだ。中日両国には2千年余りに及ぶ友好交流の歴史があり、この交流の規模の大きさ、分野の広さ、影響の深さは世界でもまれにみるものである。しかし、近代に、両国間には50年の不幸な歴史もあった。日本軍国主義者が起こした侵略戦争は中国人民にひどい災難をもたらし、日本人民も大きな被害を受けた。歴史を鑑とするとは、歴史から教訓を汲み取ることにほかならない。未来に目を向けるとは、中日の友好協力の新しい道を開くことにほかならない。  訪問を通じて、日本の指導者と国民に一つのメッセージを伝えたい。すなわち中日の友好協力関係を発展させることは時代の流れに沿い、人民の願いにかなっている。中国人民は日本人民と手を携え共に進み、両国関係を改善し、発展させることを願っている。  記者:首相は、安倍首相の訪中は「氷を砕く旅」であり、今回の訪日は「氷を溶かす旅」だと言っておられる。どうすれば中日関係の持続的で、安定した発展は可能だとお考えか。双方が発表する共同文書の内容はどのようなものか。中国側は安倍首相の訪中を招請するだろうか。胡錦涛主席の年内の訪日はあるだろうか。  温首相:中日関係の持続的で安定した発展の基礎は中日間の3つの政治文書にある。この3つの政治文書は両国関係の礎石であり、政治面、法律面、事実面から両国関係の過去を締めくくり、両国関係の未来を指し示している。3つの文書の原則と精神を守りさえすれば、両国関係は持続的に安定して発展することができる。  今回の訪問中、双方は共同文書をまとめる。文書には両国の戦略的互恵関係構築の願い、その中身と主要な任務が盛り込まれる。それは大きな出来事であり、中日関係が新たな段階に進むことを示している。中日の戦略的互恵関係構築の原則は、相互信頼を増進し、約束を誠実に守ること、大局に配慮し、小異を残して大同につくこと、平等互恵によって、共に発展すること、未来に目を向け、交流を強化すること、密接に協議し、挑戦(試練)に対応することである。安倍氏は首相就任後最初の外遊先に中国を選んだが、われわれはこれを称賛している。前回の訪問は短期間すぎて、地方をみるひまがなかった。今回お会いした時、安倍首相が年内に訪中して、中国の他の地方を訪れ、中国をもっと理解するよう招請するつもりだ。日本の指導者は胡錦涛主席の訪日を何度も招請しているが、胡主席は双方の都合のよい時に貴国を訪問するものと信ずる。  記者:今年は盧溝橋事変70周年にあたり、歴史問題が比較的敏感な年である。靖国神社問題や歴史問題が再燃した場合、中日関係にどのような影響を与えるだろうか。安倍首相が靖国神社を参拝した場合、中国政府はどう反応するだろうか。  温首相:周知の通り、この数年間、日本の個別の指導者が第二次大戦のA級戦犯が祀られた靖国神社を何度も参拝し、それは中国人民の感情を大きく傷つけ、両国関係にも深刻な結果をもたらした。われわれはこのようなことを望んでおらず、こういった事件が二度と起きないよう願っている。今年は中日国交正常化35周年で、「7・7」盧溝橋事変70周年にも当たり、中日関係は発展のチャンスを迎えるとともに挑戦(試練)も受けている。中日双方は戦略的高みに立ち、長期的視点によって両国関係をとらえ、処理すべきである。日本側が中国人民の感情を傷つけるようなことを二度としないよう希望する。  両国政府の共同の努力により、安倍首相が昨年訪中を実現し、双方は両国関係に影響を与えている政治的障害を取り除くことで共通認識に達した。中国の古代の賢人孔子は「与国人交、止于信」(他人との交際では信用が大事である)、「与朋友交、言而有信」(朋友と交わるに、言いて信あり=友だちとの交際で言ったことを必ず守る)と言っている。貴国の人々もよく「無信不立」(信なくば立たず)と言う。安倍首相が中日関係の大局を重んじ、苦労して得られた中日関係の重大な転機を大切にし、約束を誠実に守り、引き続き努力して、中日関係を順調に発展させるよう希望する。  記者:東海の油・ガス田問題をどう解決すべきだとお考えか。共同開発について、中国側は新しい案をつくることを考えているのか。この問題の解決には政治的決断が必要だが、どうすればこの困難な局面を打開できるか。  温首相:東海問題は両国の利益にかかわる重大な問題であり、中日双方とも非常に注目している。東海問題を解決するため、われわれは「係争を棚上げし、共同で開発する」ことを提案している。双方が協議のプロセスを一層積極的に進め、双方の受け入れ可能な解決案をさがすため努力するよう希望する。最近中日双方は東海問題について再び協議を行った。全般的にみて、協議は前向きであり、われわれはそれを喜んでいる。「何事もスタートが難しい」というが、双方が共に努力し、協議を深めさえすれば、意見の食い違う問題を平和的に解決するための実質的な一歩を踏み出し、東海を「平和、友好、協力の海」にすることはできる、とわれわれは信じている。  記者:日中経済閣僚会議はいつ開かれるか。どのような形で行うか。中国は日本とどのような分野で経済交流の強化を希望しているか。  温首相:今回の訪日で経済問題は双方が討議する重点問題である。中日が経済のハイレベルの対話の枠組みを構築することは、私と安倍首相の共通認識で、経済面で中日の戦略的互恵関係を構築する重要な措置であり、既存の中日協力の枠組みを一層整えるものである。日本滞在中、私と安倍首相が司会を務めて経済のハイレベル対話の枠組みをスタートさせる会議を開き、双方の責任者、第1回会議の開催時期、場所、議題を決める。  中日両国は一衣帯水の隣邦で、地理的優位性と非常に強い経済面の相互補完性があり、両国の経済・貿易関係の発展の潜在力は非常に大きい。中日国交正常化から35年、両国の経済・貿易関係は急速に発展した。両国間の貿易額は1972年の11億ドルから2006年には2074億ドルに達し、200倍近く増えた。日本の対中投資事業は3万件を超え、投資総額は580億ドルに達した。昨年の人の往来は500万人近くにのぼった。中日の経済・貿易協力の強化は両国人民の共通の利益にかなうものである。  われわれはさらに、ハイレベルの対話を通じて、経済・貿易協力の目標、枠組み、主要な方向を定めなければならない。グローバル化による挑戦(試練)に直面している状況の中で、両国の協力強化が特に重要になっている。特に省エネ、環境保護、ハイテク、中小企業、金融、情報分野の協力を強化する必要がある。中国は対外開放政策を推進しており、われわれは日本との経済・貿易協力に対して、オープンな姿勢をとっている。平等互恵を踏まえるなら、われわれはいつも日本との協力を強化する用意がある。中日双方は世界貿易機関(WTO)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、10+3(東南アジア諸国連合加盟10カ国+中日韓)東アジアサミットなど多国間の枠組みを十分に利用し、協力と協議を緊密にし、世界的なエネルギー問題や気候変動など世界的試練に対応し、公正で合理的な多国間貿易体制を共同で樹立しなければならない。  記者:第6回6カ国協議は成果なく終わったが、朝鮮半島の核問題の今後の動向をどうみているか。中国は今後、どのような措置をとるのか。6カ国の外相級会議はいつ開かれるか。中国は朝鮮(北朝鮮)の日本人拉致問題解決に協力するか。  温首相:第6回6カ国協議で各国は「9・19」共同声明の初期段階の具体的措置の実行と次の段階の行動計画について検討し、相互理解を増進した。各国は共同声明に盛り込まれた約束を履行すると重ねて表明した。朝鮮半島問題は北東アジア全体の安全と安定にかかわっている。朝鮮半島の非核化を実現し、関係国の関係正常化を促進し、北東アジアの長期的安定を守ることが、6カ国協議の目的であり、目標である。これは大勢の赴くところであり、このプロセスが停止することはない。  朝鮮半島の核問題解決に対する中国の立場は一貫し、明確なものである。われわれは平和的方法を堅持し、協議と対話を通じて共通認識を拡大し、問題を最終的に解決する目的を達成していく。中国は6カ国協議に対して従来から積極的な姿勢を貫いており、今後もそうしていく。われわれは各国との意思疎通と協力を一層強化し、6カ国協議が進展を収めるようはかる。6カ国協議はこれまで長い道を歩み、光が見えてきた。対話、意思疎通、協議を重ねていけば、問題解決の方法は必ずみつかる。  拉致問題に対する日本国民の人道的関心に対し、われわれは従来から理解と同情を示しており、問題解決のため必要な協力を行う用意がある。日本と朝鮮は国交正常化実現のための協議をスタートさせており、これは拉致問題の解決に役立つ。  記者:安全保障と軍事の面で、日本と中国はどのようにして、防衛交流と国防予算の「透明化」を通じて、相互信頼関係を構築するのか。  温首相:中国は平和的発展の道を歩んでおり、これは中国の国情、文化・伝統、国家制度によって決定づけられたものである。われわれの発展は、いかなる国にも影響を与えないし、さらに脅威を与えることはない。中国は現在まだ発展途上国であり、われわれは覇を称えることはない。中国が先進国になるには、これからも長い道を歩まなければならない。中国は発展しても、永遠に覇を称えない。中国の国防費は規模からみても、比率からみても、人口13億という大国にとって、多いものではなく、多くの先進国より少なく、さらには多くの発展途上国と比べても少ない。問題の重要な点は、中国の限られた軍事力が国の安全と統一を守るためのものであるということである。  近代に入って、中国は列強の侮りを受け、戦争が国と人民に大きな災難をもたらすことをよく知っている。そのため、中国は平和的発展の道を歩み、防御的国防政策を堅持しており、これはまったく誠実なもので、疑う余地のないものである。  中国と日本は北東アジア地域さらには世界で、重要な影響力のある国である。中国は日本との軍事交流と防衛・安全保障の対話を強化して、理解を深め、誤解を取り除き、衝突を回避し、北東アジア地域さらには世界の平和と発展を共に守ることを願っている。  記者:首相は忙しい国事のほか、余暇はどのように過ごしているのか。好きなことはなにか。  温首相:人口13億の大国の首相として、仕事は確かに忙しい。私の余暇は確かに多くなく、したがって特に貴重だ。その時間を非常に大切にしており、大部分は読書や思索に充てている。また一部の時間に一般の人や友人への手紙を書いている。手紙を書くことが好きで、相手は労働者、農民から科学者、文学者、芸術家、さらに教師、学生に及んでいる。  私は四世同堂(4世代同居)で、仲睦ましく、幸せで円満な家庭を持っている。特に孫が可愛くて、少しの時間を見つけては、一緒に絵本を見たり、物語を話したり、卓球をしたりしている。これはおそらく私にとって最も楽しいことだ。若いときはスポーツが好きで、バスケットボールをしたし、野球もやったことがある。今回、京都の大学を訪問したら、学生らと一緒に野球をしたいと思っている。  最後に報道界の友人の皆さんに、私の日本人民に対する心からのあいさつと願いを伝えるようお願いしたい。私は日本訪問に期待している。みなさんありがとう。  記者:首相、ありがとうございました。われわれは首相の日本訪問の成功を期待しています。
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