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王毅大使 中日関係を語る
――新華社「環球」誌に年末インタビュー
2006/12/11
 一、日本は中国の外交全体の中でどのような位置を占めると考えるか  中日両国には2千年余りの交流史があり、これは他の国と国の関係では見られないものだ。長い交流史の中には先人の諸々の知恵と遺産が貯えられており、それを汲み取ることができる。古代に中国は長い期間、日本にとって参考さらには模倣の対象だったが、近代には日本の軍国主義が中華民族に災難をもたらした。中日双方はそれぞれの意味で、お互いの民族発展のプロセスに直接の、大きい影響を及ぼしたと言える。  新中国成立以来、中国政府と中国の数世代の指導者は、中日関係を非常に重視し、大きな心血を注いだ。現在、中国は全方位の外交を進め、大国を鍵とみなし、周辺を最重要とみなしている。日本は大国の一つであり、また周辺の隣国でもあり、二重の性質をもち、われわれが外交全般を考えるときに、つねに重要視する要素の一つである。  日本は経済・貿易面で中国の重要な協力相手になっている。両国の貿易額は今年、中国と欧州連合(EU)全体の貿易の水準に匹敵する2000億㌦を突破する見通しだ。日本の対中投資累計は3万6000件を超えており、中日間では300組余りの友好都市が結ばれており、今年両国の人的往来は450万人を超えると見られる。双方は経済面で、密接不可分な互恵・ウィンウィン関係を形成している。  中日両国は共に追いつき追い越す型の国で、中国が現在抱えている多くの問題は、ほとんど日本がかつて経験してきたものだ。日本の経験と教訓は他の国のものに比べて参考になるところが多く、われわれが科学的発展観を実行し、調和社会を築く時にも大いに参考になる。  中国と日本は共に全世界とりわけアジアの問題に重要な影響力をもつ国であり、双方は地域および国際舞台でも、対話と意思疎通を強める必要がある。  歴史的経緯、現実の利害から見ても、地政学的相互作用から見ても、日本は中国の外交全体の中で、独特で重要な地位を占めている。  二、今年、中日関係はなぜ好転できたのか  過去5年余りの間、日本の前指導者が、A級戦犯が祀られている靖国神社参拝に固執したため、中日関係に国交回復以降最も困難な局面になった。周知のように、戦後中日関係が再び発展できた政治的基礎は、日本政府が戦争の侵略的性格とその責任を認め、この歴史に正しく対処することである。だがA級戦犯はかつての日本軍国主義の責任者の象徴であり、A級戦犯を美化または肯定する言動にも、中国人民はどうしても同意できないし、アジア各国と国際社会としても受け入れ難い。  靖国神社問題は中日関係の健全な発展を著しく阻害した。この問題での中国側の立場は終始一貫するものだった。しかしこの問題をどう解決するかは、最終的には日本側が自分で判断するものである。この数年、日本国内の議論を経て、参拝不賛成の声が次第に多数を占めるようになった。今年8、9月の政権交代を前にした世論調査の結果によると、日本国民の8割以上が出来るだけ早く対中関係を改善し、近隣外交を打開するよう求めていた。このような背景の下で、双方は真剣な協議を重ねたすえ、ついに両国関係に影響を与えている政治的障碍を克服し、中日友好協力関係の健全な発展を促進することで一致した。こうして両国の首脳会談再開、関係改善プロセスのスタートに必要な環境と条件が整った。  中日関係に近年、少なからぬ矛盾と摩擦が生じ、その焦点は靖国神社問題だったが、より大きい背景として、中日両国の国力が程度の差こそあれ同時に上昇し、二国間関係が歴史的な転換期と過渡期を迎えつつあるということがある。ある日本の高官は私に、中国の発展はわれわれが向き合わなければならない現実だが、1980年代に米国が日本の台頭に対応できなかったように、現在多くの日本人も中国の発展を受け入れる心の準備が出来ていないと話したことがある。つまり、中日関係が真に順調に推移して行くには、まだ時間がかかり、双方がそのためにたえず努力することが必要なのである。  三、安倍首相の訪中の成果をどう評価するか  今年10月8日、安倍首相は就任後2週間足らずで中国訪問を決断し、日本の戦後60年間で、中国を最初の外遊先に選んだ首相となった。訪中の際、安倍首相は胡錦涛主席、呉邦国委員長および温家宝首相と中日関係や共に関心をもつ問題について突っ込んで意見を交換し、一連の重要な共通認識を得た。この訪問は中日両国の政治的こう着状態を打破し、両国関係の希望の窓を開き、両国関係の改善と発展に向けて重要な一歩を踏み出した。これによる中日関係の主な進展は次のようなものだと考えられる。  ――両国指導者の正常な交流が再開され、相互信頼再構築のプロセスが始まった。胡錦涛主席は先ごろ、ハノイAPECの際、再び安倍首相と会談した。温家宝首相も近く、10+3会議期間中に両国首相の会談を開く予定。双方は来年ハイレベルの相互訪問を実現することでも原則的に合意できている。  ――両国関係の大きな方向を明確にした。双方は中日共同声明など3つの政治文書の原則に従い、「歴史を鑑とし、未来に目を向ける」精神を堅持し、戦略的互恵関係の構築という方向を明確にして、胡錦涛主席が示した「平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展」という目標を実現することで合意した。この4つの要素は相互に作用し、一つのまとまりをなして、両国関係の長期的青写真を描き、両国関係の戦略的枠組みを作り上げていく。  ――今後の二国間、多国間協力の主要な分野を決めた。双方は省エネ、環境保護、通信、エネルギー、金融およびハイテク面の協力を強め、両国の文化、青少年交流を深めることで合意し、また朝鮮半島問題など地域、国際問題で協調と協力を強化していくことで合意した。  四、中日関係の見通しはどうか  政治的こう着状態が打開された後、中日関係の各分野に改善と発展の勢いが見られる。両国の指導者は頻繁に会談し、改善のプロセスにたえず政治的原動力を与えている。ハイレベルの往来に目を向けると、日本の参議院議長の訪中に続いて、衆議院議長もまもなく出発し、安倍内閣の重要閣僚が相次いで訪中を予定し、主要政党の責任者も次々に訪中の準備を進めている。両国の各分野の主務官庁は今後の中長期協力計画を検討している。両国の防衛当局交流も再開された。先ごろ「中国文化フェスティバル」が東京で盛大に開幕し、皇族、衆参両院議長、内閣官房長官などの閣僚、70人余りの国会議員のほか、各界の有名人が出席し、空前の盛況だった。  これらは、政治的障碍が克服されれば、両国関係は活気が回復すること、正しい政治判断を行えれば、ウィンウィンと互恵の展望が開かれることを物語っている。中日友好には依然としてその土台があり、両国間には全方位、多分野の協力を繰り広げる条件と可能性が備わっている。  私は、このせっかくの改善基調を維持し、中日関係を再び好循環に乗せるには、第一に政治的基礎を一層強固にし、即ち歴史、台湾など敏感な問題を適切に処理すること、第二に社会的基礎を拡大し、即ち国民感情を修復し、健全な世論形成に力をいれること、第三に経済的基礎を深化させ、即ち互恵協力を大いに繰り広げ、両国人民に有益なことを少しでも多くやることだと考える。  五、両国の戦略的互恵関係構築の中身をどう理解しているか  中日双方が戦略的互恵関係の構築で共通認識を得たことには積極的な意味がある。第一は日本の対中戦略は積極的な方向に向かっていることを示している、第二は中国の諸大国との戦略的関係構築の一つの空白が埋められたこと、第三は両国関係の今後の方向について新たな位置づけをしたことである。この関係の中身について、両国の外交当局はすでに検討を行っている。私の考えでは、少なくとも以下の内容が含まれる方がいい。  第一はそれぞれ平和的発展を堅持すること。日本は戦後、過去の教訓を汲み取り、平和の道を選択し、世界で新しいイメージを造り、自らにも重要な利益をもたらし、アジアの隣国と国際社会から歓迎された。われわれは日本が引き続きこの方向を貫くよう希望している。中国はつねに平和的発展を堅持する。これはわれわれの基本的国策であるだけでなく、現実的選択でもあり、中国人民の根本的利益に合致すると共に、今日の時代の流れと国際社会の期待にも沿っている。  第二は社会体制とイデオロギーの違いを越えること。中日両国の国情が違うので、社会体制が同じでないのは自然なことであろう。しかし、われわれの間の友好往来がそれによって影響されてはならない。隣国同士として、仲良く付き合う必要があり、またそうするほかない。われわれは共にアジアの一員であり、東洋の伝統文化と価値観の積み重ねがある。両国間では互いに尊重し、長所を取り入れ、短所を補い合い、「和して同ぜず」を実現すべきで、それは完全に可能でもある。  第三は実務協力を推進し、相互利益・ウィンウィンを実現すること。双方は友好の伝統を大切にし、さらに発揚したうえで、出来るだけ利益の接点を広げ、各分野の互恵協力を強めるようにすべきである。今年5月、政治的環境がまだ厳しい状況の中で、双方が1回目の中日省エネ・環境保護大型総合フォーラムを成功させたのは一つの例である。省エネ・環境保護協力はいまの人々の努力で、子孫が末永く利益を受け、双方に恩恵が及び、全世界に影響を与えるものだ。  第四は手を携え共にアジアの振興をはかり、アジアの未来を切り開くこと。国際社会は一様に、アジアとりわけ東アジアを有望視しており、中日両国が地域問題で協調と協力を進め、調和と協力の、開かれたアジアを共に建設することは、われわれ双方の歴史的使命であるだけでなく、今後の中日両国の最も重要な共通利益になると見られ、当然、戦略的互恵関係の最も重要な中身の一つである。  六、アジアの視点から中日両国の地位と役割をどう見るか  中国と日本は共にアジアの大国で、両国のGDPは東アジアの80%以上を占め、人口と貿易額はそれぞれ東アジアの70%と60%以上を占めており、明らかにアジアの行方に大きな影響を与える。東アジア共同体という目標を実現できるかどうか、調和したアジアを建設できるかどうかは、すべてのアジア諸国の共同の責任であり、同時に中日両国がそれぞれどのようなアジア政策を取るかおよび中日の二国間関係がどうであるかということに大きく左右される。  私は、アジアの協力で中日間に主導権争いがあるとは考えない。理由は次の通りだ。第一、地域協力における両国の役割は相互補完的なものだ。日本の相対的強みは潤沢な資金、先進的な技術と経営管理で、中国の相対的強みは巨大な市場、豊富な人材資源および整った工業生産能力などだ。双方の間では水平分業と垂直分業が併存している。第二、両国には地域問題で多くの利益の接点がある。双方は共に朝鮮半島が抱える問題を平和的手段で解決することを希望し、共に開かれた地域主義を提唱し、共に10+3、東アジアサミットなどの多国間枠組みを重視し、共に東アジア共同体づくりのために力を尽くしている。第三、アジア統合のプロセスは経済協力から始まり、ASEAN共同体の建設からスタートしている。中国は今後も、地域協力のプロセスでASEANが引き続き主導的役割を果たすことを支持する。そして日本も同様な態度を取るものと信じている。  要するに、中国は日本がアジアの重要な一員として、アジアの発展にもっと関心を寄せ、自らの強みを生かして、地域協力とアジア統合にしかるべき貢献をするのを歓迎している。
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