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程永華大使の広島大学名誉博士号授与式での講演
2016/05/11

    美しい広島大学のキャンパスを再び訪れることができてうれしく思います。広島大学は「自由と平和」を建学精神とし、日本全国、そして世界各地の学生がここで学問を深め、多くの優れた国際的人材を育成し、また世界各国の青年の交流と相互理解増進の場を提供しています。この著名な学府の名誉博士号を授与されたことは、私にとって大きな栄誉であり、励ましとなります。

    この名誉博士の称号を契機として、広島大学の五つの教育理念である、平和を希求する精神、新たなる知の創造、豊かな人間性を培う教育、地域社会・国際社会との共存、絶えざる自己変革を改めて思い返しました。この五つの理念は私に多くの共感と啓発を与えてくれました。このような教育理念の下で育てられ、成長した学生は、必ず国際的視野を身に付け、時代と共に前進することができ、世界平和の擁護という崇高な理想をもった青年英才であるに違いありません。この機会をお借りし、まず「平和の追求」と「国際社会との共存」の二つの教育理念に対する私の見解をお話し、それと同時にこの二つの側面における中国の具体的な実践状況を紹介したいと思います。

    一つ目は平和の希求に関する理念です。

    人類の歴史は多様な文明の相互の衝突と融合の過程です。人類は最初の原始的状態から、社会、民族、国家を作るようになり、その中で戦争と平和を繰り返してきました。戦争は1枚の鏡であり、人々に平和の尊さをよりよく認識させることができます。歴史が何度も教えているように、過去の戦争の惨劇を決して繰り返してはならず、平和と発展は人類が最も大切にすべき財産です。70年余り前の第二次世界大戦は人類の歴史上、かつてない大規模な戦争で、戦火が世界の80余カ国・地域に広がり、約20億人がその中に巻き込まれました。第二次世界大戦の東方の主戦場で、軍国主義日本が発動した侵略戦争は中国人民とその他のアジア諸国の人民に大きな災難をもたらし、日本人民にも深い傷を与えました。広島、長崎の原爆で亡くなった無辜の市民はこの戦争の特殊な被害者で、われわれは深く同情しています。今日、平和と発展はすでに時代のテーマとなりましたが、世界は依然として太平でなく、戦争のダモクレスの剣が依然として人類の頭の上にぶら下がっており、世界平和を守り、共同の発展を促進することは依然として任重くして道遠しの状態です。「平和の追求」は広島大学の教官と学生1人1人の信念であると同時に、人類社会の一員たるわれわれの共通の使命でもあり、われわれは歴史を鑑とし、平和を守る決意を固めなければなりません。また、広島大学が「平和の希求」という建学理念にのっとり、あの戦争が起きた原因、もたらされた教訓および戦争の悲劇の再演をどう防ぐかについて一段と深く掘り下げた研究を行うよう希望します。

    中国は揺るぎなく平和的発展の道を歩み、世界平和の擁護を通して自らを発展させ、同時に自国の発展を通して世界の平和を守っています。これは中国が歴史、現実、発展目標に基づいて選択した道であり、中国の利益と世界の利益を緊密に結びつける道でもあります。歴史から見ると、平和は中華民族が精神的に最も奥深く追求してきたものです。早くも2000年前の春秋時代に、中国人は「国大なりといえども、戦いを好めば必ず亡ぶ」との訓戒を残しました。西方の国が地理的な大発見を行う前に、明代の鄭和は2万人を超える船隊を率いて七度西洋に下り、遠くはアフリカ東海岸や紅海沿岸に達しましたが、この海上シルクロードで植民地を作ったとか、他国を侵略したとの記録は一つも残っていません。私はマレーシア大使在任中、地元の人から、鄭和の船隊が残したものは食糧と磁器であり、欧州の植民地主義者がマレーシアにやって来て残したものは砲台と壊れた壁であると告げられました。近代以降、中国は列強の侵略を受け、嫌と言うほど欺かれ虐げられ、骨身にしみる記憶を残しました。「己の欲せざる所、人に施すことなかれ」と言います。戦争と動乱の苦難を経験した中国人民は平和の大切さを深く理解し、自分が経験した苦難を他国に与えることは決してありません。

    現実から見ると、中国の改革開放事業は1978年に始まり、すでに40年近い歩みがあり、中国人民は自身のたゆまぬ努力と日本を含む国際社会の広範な支持の下で、世界に注目される発展の成果を上げ、世界の平和と安定に重要な貢献をしてきました。独立自主の平和外交政策を堅持する国として、しかも20余りの隣国に囲まれた発展途上の大国として、中国がこの平和的発展の道を歩むことは人類社会の発展史上において前例のないすばらしい事だといえます。われわれはこのことを心から誇りに思っており、引き続き揺るぎなくこの道を歩んでいきます。今日の中国は「二つの百年」奮闘目標を核とする中国の夢の実現に力を尽くしています。つまり2020年までに国内総生産(GDP)と都市・農村住民の1人当たり所得を2010年の倍にし、小康社会を全面的に完成させ、今世紀中葉、即ち2050年前後までに富強の、民主化し文明化し、調和のとれた社会主義の近代国家を完成させるのです。中国の現在の前途・運命は世界の前途・運命とこれまでにないほどに緊密に結びついており、われわれは平和で安定した国際環境の中で自らの夢を育て、実現し、常に世界の平和擁護と共同の発展促進を自らの任務としていく必要があります。

    中国は世界で最も早く、また唯一、核兵器の先制使用をしないこと、非核保有国と地域に対し核兵器を使用しないことを公に約束した核保有国です。中国は国際的責任と義務を真剣に履行し、1990年から累計で3万人余りの平和維持要員を派遣しており、安全保障理事会の5常任理事国の中で平和維持要員の派遣が最も多い国です。中国は朝鮮の核、イランの核、シリア、南スーダンなど地域のホットな問題で積極的に和平を勧め交渉を促し、緊張の緩和と地域の平和維持のために建設的な役割を果たしてきました。中国は対話と交渉を通して隣国との領土、海洋権益の争いを処理することを堅持し、すでに12の隣国との間で、歴史的に残された陸地国境問題を解決し、それは中国の陸地国境の約90%に相当します。事実が証明しているように、中国の発展は世界の平和と安定に役立ち、中国は発展すればするほど、開放されればされるほど、世界との関係が緊密になるほど、長期的な平和と安定の国際環境が必要となり、世界の平和を守る確固たる力となります。

    二つ目は国際社会との共存に関する理念です。

    われわれは同じ世界に暮らしており、地球は人類共通の故郷です。グローバル化と情報化が加速する新しい時代に、異なる文化、異なる人種、異なる宗教、異なる社会制度の中で生活する74億人の距離はこれまでにないほど近づいています。われわれは貿易、投資、金融、教育、観光、科学技術革新などの各分野でグローバル化の成果を共有しています。例えば、スマートホンで撮影した写真を瞬時に地球の反対側に送ることができます。その一方で、われわれの試練への対応、リスクの解消もこれまでになかった共通性がますます強くなり、金融危機、テロ活動、気候温暖化、伝染病などが、各国が共に直面する課題となっています。国際社会の相互連携、相互依存が一層密になるのに伴い、国と国が苦楽を共にするようになり、人類全体の利益が日増しに際立ってきています。これはわれわれが直視し、順応しなければならない客観的現実です。

     運命共同体に向けて、「国際社会との共存」を実現するには、各国の相互尊重、平等な付き合いを堅持し、協力とウィンウィンを核心とする新しいタイプの国際関係を築かなければなりません。第一に各国が自主的に選択した社会制度と発展の道を尊重し、互いの核心的利益と重大な関心事を尊重し、他国が発展し壮大になることとその政策理念を客観的、理性的に見なければなりません。第二にゼロサムゲーム、勝った負けたという古い思考を捨て、自身の利益を追求する時に他者の利益にも配慮し、自身の発展を図る時に共同の発展も促さなければなりません。第三にどのような国であっても世界の安全を抜きに自身の安全を実現することはできず、他国の非安全の上に自国の安全を築くことはできないことを認識し、対話と協力を通して各国の共同の安全を促進し、平和的方式で争いを解決することを堅持しなければなりません。

    中国は人類の運命共同体の実務的建設者です。長年にわたり、中国は多国間協力に積極的に参加し、国際的、地域的実務の中で責任ある大国の役割を果たしてきました。中国は「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)の建設を推進し、沿線諸国の発展戦略とリンクさせ、さらにアジアインフラ投資銀行(AIIB)と「シルクロード基金」を発起、設立し、インフラの相互接続を推進し、沿線諸国の互恵協力、共同の発展を支援しています。また、モデル転換による発展という巨大な圧力を克服し、省エネ・排出削減を強力に推し進め、グローバルな気候変動への対応と環境保護に重要な貢献をしています。昨年以降、中国は国際情勢を総合的に判断することを踏まえ、人類運命共同体を構築するとの外交の新たな目標を明確に打ち出しましたが、これは広島大学の「国際社会との共存」の理念と道は異なるものの目的は同じだと言うことができます。

    教師の皆さま、学生の皆さま

    この場を借り、中日関係の関連状況について簡単に説明したいと思います。中日は互いに重要な隣国で、隣人は選ぶことができますが、隣国は引っ越すわけにいきません。中日の第4の政治文書は、長期的な平和友好協力が唯一の選択であり、双方は互いに協力パートナーで、相互に脅威とならず、相互に相手の平和的発展を支持すると明確にうたっています。中国は中日関係の発展を重視し、日本と共同で平和的発展の道を歩み、共同でアジアの振興と繁栄を図り、その過程で互恵とウィンウィンを実現したいと希望しています。中日国交正常化以降、両国の貿易額は300倍余り、人的往来は500倍余りにそれぞれ増えましたが、こうした成果は世界各国の二国間関係においてあまり見られないものです。中日両国が平和、友好、協力の大きな方向を堅持し、持続的な努力を払い、各分野の実務交流と協力を強化すれば、各自の発展が力強く促進されるだけでなく、地域の平和、安定と発展のために重要な貢献をすることになります。今後を展望すると、中日が両国関係の健全で安定した発展を実現するには、対話を強化し、意見の相違をコントロールし、相互理解と相互信頼を増進し、引き続きさまざまなレベルと形式の二国間・多国間協力を維持し、推進する必要があります。私は双方が共に努力し、アジアの繁栄と振興の得難い歴史的チャンスを逃さず、アジアの投資・貿易、財政・金融、インフラ、相互接続などの分野の協力を強化し、それぞれの一段の発展を実現すると同時に、共同で地域の平和と安定を守り、アジアの地域統合プロセスを推し進めるよう心から希望しています。

    習近平主席は昨年5月北京で中日友好交流大会に出席した際、青年が興れば国家が興ると述べました。中国政府は両国の民間交流を支持し、両国各界の人々、特に若い世代が中日友好事業に身を投じ、交流と協力の中で相互理解を増進し、相互信頼を築き、友情を発展させることを奨励しています。本日ご在席の学生の皆さんは中日両国の将来と運命を担う青年で、中日関係の改善と発展は皆さんの成長と進歩とも深くかかわっています。皆さんがアジアと世界のことを思い、中日関係に関心を寄せ、中日の相互信頼と友好増進のため、アジアの発展と繁栄のためにしかるべき積極的役割を果たされるよう心から希望します。また、広島大学が越智学長の強力なリーダーシップの下で、鋭意改革・進取し、世界100大学入りの目標を出来るだけ早く実現することを願っています。

    ありがとうございました。

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