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程永華駐日大使が「一帯一路」などについて「日本経済新聞」の書面インタービューに答える
2015/05/07

    5月4日に、程永華駐日大使が「日本経済新聞」の書面インタービューに応じ、「一帯一路」提唱、アジアインフラ投資銀行の設立及び中日関係などの問題に答えました。具体的な内容は以下の通りであります。

    記者:中国が掲げる「海上シルクロード」と「シルクロード経済ベルト」構想のねらいは何ですか。

    程大使:当面、世界経済の回復は鈍化し、アジア各国の経済モデル転換の任務は非常に重く、インフラ設備の相互連結が全面的に展開されています。中国経済は世界経済と高度にかかわり、導入と海外進出を共に重んじています。中国は各国が真に運命共同体の意識を構築し、共同発展の中で各国の利益の最大公約数を求めるよう主張しています。こうした大きな背景の下で、2013年の秋に、習近平主席がカザフスタンとインドネシアを訪問した際、「シルクロード経済ベルト」と「21世紀の海上シルクロード」を共同で構築することを提唱しました。これらは合わせて「一帯一路」と呼ばれています。

    「一帯一路」の沿線は新興経済体と発展途上国を中心とし、産業構造の補完性が強く、最も発展の潜在力のある経済ベルトであります。同時に、各国は依然として厳しい発展の問題を抱えている。「一帯一路」の提唱はちょうどいいタイミングと言え、その目的として、世界経済の新らたな成長ポイントの育成、地域協力の推進、経済要素の秩序のある自由な移動の促進、アジア・ヨーロッパ・アフリカ大陸及び付近の海洋の相互連結の加速、域内市場の潜在力を掘り出し、グローバル・サプライチェーン、産業チェーン、バリュー・チェーンにおけるアジアの地位の向上、沿線各国国民による思想の交流と文明の相互参照の増進などが含まれています。「一帯一路」は、インフラ整備を重点と優先方向とし、ユーラシア大陸の実際なニーズに合わせ、中国と周辺ひいてはユーラシア諸国の開発戦略とのドッキングを実現させ、一層緊密な共通利益のネットワークを編み、双方の利益融合をより高いレベルに引き上げ、周辺諸国が中国の発展から利益を受け入れ、また中国も周辺諸国の共同発展から利益と原動力を受けることに資するものであります。「一帯一路」は、アジア全体の振興のための二つの強力な翼となり、東南アジア、南アジア、中央アジア、西アジアひいてはヨーロッパの一部の地域をつなぎ、各国、各サブ地域間の相互連結、相互補完を実現させ、アジアのサプライチェーン、産業チェーンとバリュー・チェーンを構築して整備させ、パンアジアとユーラシアの協力を後押していくことに資するものであります。

   「一帯一路」の建設は、共に協議し、共に構築し、共に享有するという原則に則り、閉鎖的なものではなく、開放的、包容的なものであります。既存の地域協力メカニズムとイニシアチブに取って代わるのではなく、いまあるものを基礎に、沿線諸国の発展戦略の相互結合、相互補完を実現させようとしています。1年半以来、すでに60余りの沿線諸国と国際機構がこの提唱に積極的態度を表明し、「一帯一路」の建設は実務的協力の新たな段階に入っています。

   3月28日、中国は「『「一帯一路」の共同建設のビジョンと行動』を発表し、これは「一帯一路」の白書又は枠組み文書と言えます。この文書は、陸上で新ユーラシアランドブリッジ、中国・モンゴル・ロシア、中国‐中央アジア‐西アジア、中国‐インドシナ半島などの国際経済協力回廊を共同で構築し、海上で円滑かつ安全で高効率の輸送の大ルートづくりを目標に、海上経済回廊を共同で構築することを指摘しています。今後、中国はこの枠組み文書の下で、沿線諸国との協力を強化し、インフラ設備の相互連結、エネルギー・資源、貿易・投資、産業、金融、人的文化交流、生態環境保護、海上協力を重点とし、重大なプロジェクトの建設に力を入れ、早期に成果を収めることをめざし、各国国民に利益をもたらしていきます。

    記者:この構想をすすめるうえでアジアインフラ投資銀行はどのような役割を果たしますか。

程大使:2013年10月に、習近平主席はインドネシア訪問の際、初めてAIIBの設立を提唱しました。この提唱が打ち出されたとたんに幅広い支持が得られ、多くの国の積極的な反響を呼びました。昨年10月に、第1期の創設メンバーの21カ国の財務相や代理が北京で協定に調印、AIIBの設立を共同で決定しました。4月15日までに、57カ国が正式にAIIB創設メンバーとなり、これはアジアのインフラ設備と経済発展の促進という趣旨が幅広く認められ、AIIBが一層の代表性と広範性をもつようになることを示しています。

    アジアのインフラ投資のニーズが巨大であり、既存の融資機関でははるかに建設融資の需要に満たせません。投融資のプラットホームを増やし、資金導入と借り入れ先の選択肢を増やすのは、アジア各国にとってよいことであります。中国のAIIB設立提唱は時宜を得たものと言えます。AIIBは国際慣例に従って物事を運び、既存の多国間金融機関が長期にわたって積み重ねてきた理論と実践の経験を十分に参考にし、理事会、取締役会、執行部の三段階管理の枠組みを設けるとともに、有効な監督の仕組みを構築し、意思決定の効率性、公開性と透明性を確保します。AIIBと他の多国間開発機関、金融企業との関係は相互補完であり、取って代わるのではありません。既存の国際経済金融秩序をより完全なものにするのであり、挑戦するものではありません。中国はAIIB主導国と世界銀行、アジア開発銀行の重要な出資国として、AIIBの設立準備と今後の運営のプロセスの中で、AIIBと世銀、ADBなどの既存の多国間開発銀行との協力を積極的に推進していきます。

    資金の融通は「一帯一路」の建設における大事な一環であり、AIIBはまさにこのプロセスの中での一つの投融資プラットホームであります。中国は沿線諸国との金融協力を強化し、アジア通貨の安定システム、投融資のシステム及び信用システムの構築を進めます。各国の主権国家資産ファンドの機能を十分に発揮させ、エクイティ・インベストメントファンドや社会の基金を共に「一帯一路」の重点プロジェクトに参加させます。同時に、AIIBのほか、中国は既存の多国間と二国間の基金の機能も十分に発揮させていきます。

    記者:この構想を実現するために、日本と中国はどのような協力ができますか。

    程大使:「一帯一路」は中国の「親、誠、恵、容」という周辺外交理念を貫き、平和友好、開放包容、互恵ウィンウィンのシルクロードの精神を広く発揚し、アジア運命共同体の構築のために堅固な基礎を定めます。1年半以来、「一帯一路」の建設は順調に進み、沿線の数多くの国々に幅広く熱心に参加してもらいました。関係諸国がこの提唱に対する熱情は偶然なものではありません。その理由として、三つが挙げられると思います。まずは、ユーラシアの多くの国々はかつて古代シルクロードの開拓者と受益者であり、シルクロードの精神に強い共感を抱えています。第二は、国際金融危機の影響はいまだも残り、国際貿易と投資の力が不足であり、「一帯一路」の建設はその時宜にかなって、内需の掘り出し、雇用の創出および新たな経済成長ポイントと新しいインフラ整備投融資ルートの育成に資するものであります。第三は、中国はこの提唱を進める中で、沿線諸国のニーズと自国の西に向かう開放のニーズを緊密に結びつけ、大国の責任と度胸を示しています。

    日本国内に、古代シルクロードの東端は日本まで延び、中国の隋と唐の時代のさまざまな文化がすべてこのルートを通じて日本に伝わってきたという見方があります。そして、日本国民は、ほとんど「シルクロード」について美しい思い出を持っていると言われています。1980年代に日本で開催された「シルクロードシリーズ展」とNHK制作のドキュメンタリー「シルクロード」が日本で大きな反響を呼んだことはその現れであります。「一帯一路」は中日の協力に新たなプラットホームを提供しています。中国と日本は共に地域の重要な国であり、世界第二と第三の経済体として、両国は地域と国際事務における協調と協力の強化をはかり、アジアの金融・通貨、インフラ整備、相互連結などの分野における協力を共同で進めることができます。われわれは、日本が中国の提唱を積極的に支持し、またこれに応えて、地域と世界の繁栄と発展に共に貢献するよう希望しています。

    記者:中国は日本にアジアインフラ投資銀行への参加を期待していますか。日本の参加はどんな利点がありますか。

    程大使:AIIBを提唱して以来、中国はずっと開放的で包容の姿勢をもって、「開かれた地域主義」の原則に則り、意欲のある国が創立メンバーとしてAIIBへの加盟を早急に決めることを歓迎してきました。中国は地域協力における日本の地位と役割を重視して尊重し、日本がAIIBの設立準備に積極的に参加することを心より歓迎すると共に、これについて日本の関連部門とずっと意思疎通を保っています。日本が開放的かつ包容の心を持って中国の提唱と関連措置を取り扱い、中国と手を携えてアジアの振興と地域一体化のプロセスを推進するよう希望しています。

     同時に、中国は日本を含む域内と域外の諸国による、AIIBに加盟するかどうか、またいつ加盟するかの決定を尊重します。AIIBに加盟するか否かにかかわらず、中国は引き続き日本また関連各方と、多国間と二国間の経済対話メカニズムおよび世銀、ADBなどの枠組みの下で、意思疎通と協力を強化し、共にアジア地域のインフラ整備と経済発展のために力を尽くしたいと考えています。

    記者:戦後70周年の今年、中国は日本やアジアとの関係をどのように進めるつもりですか。

    程大使:2014年11月に、中日双方は中日関係の取り扱いと改善について四つの原則的共通認識に達し、習近平主席がAPEC会議の期間中に安倍首相と会見し、中日関係は改善の方向に向けて重要な一歩を踏み出しました。今年の4月22日に、習近平主席がインドネシアのジャカルターでバンドン会議の期間中、安倍首相とあらためて会見を行い、両国関係の持続的な改善に新たな政治的原動力を注ぎ、またその方向を示しました。同時に、中日関係はまだ脆い一面があることも認識すべきであります。双方は、中日間の四つの政治文書の精神に厳格に従い、四項目の原則的共通認識を厳守し、関連の重大で敏感な問題を適切に処理し、両国関係が正しい方向に沿って発展していくことを確保すべきであります。

    今年は世界反ファシズム戦争と中国人民の抗日戦争の勝利70周年にあたり、中日関係にとって非常に肝心な年であり、試練もありますが、チャンスも少なくありません。歴史問題は中日関係の政治的基礎にかかわり、また日本自身の国際イメージにもかかわっています。日本側がアジアの隣国特に戦争被害国の関心事に真剣に対応し、関連の態度表明と約束を確実に守り、歴史を直視して反省する誠意のある態度を示し、平和発展の道を堅持するよう希望しています。

    今年、中国政府はほかの国々のやり方を参考に、一連の70周年記念行事を開催する予定であります。最近、日本では、中国が70周年と歴史問題を利用して日本を叩こうとしているという一部の声が聞こえています。こうした見方は間違って、事実に合わないものであります。中国政府が盛大に記念行事を開催するのは、歴史を銘記し、烈士をしのび、平和を大切にし、未来を開くためであります。これらの記念行事はいかなる特定の国を対象にするものではなく、今日の日本を対象にするものではなく、まして日本国民を対象にするものではなく、当面の中日関係と直接に関連したものではありません。70余年の前に、日本の軍国主義が起こした侵略戦争は、中国を含むアジアの被害国国民に大きな災難をもたらし、日本国民も大きな被害を受けました。われわれは、これまでずっと、日本の軍国主義者と広範な日本国民を区別して取り扱い、戦犯と一般兵士を区別して取り扱ってきました。戦争は70年前に終わりましたが、国際社会は普遍的に、日本はまだこの重荷を背負っていると考え、この重荷を下ろそうとするかどうか、下ろせるかどうかのカギは日本自身にあります。

    われわれは、先般、安倍首相がアメリカの訪問中に、中国に関する問題について発信したメッセジーに注目していました。中国は終始して平和発展の道を堅持し、アメリカと新しいタイプの大国関係の構築に力を入れると同時に、日本と平和発展のパートナーにもなりたいと思います。中日米三ヵ国は「ゼロサム」の思考を超え、お互いとよく交流しあって、共に国際と地域の平和、安定と繁栄のために積極的な貢献をすべきだと考えています。

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