ホームページ 大使館案内 中日関係 経済協力 科学技術協力 文化交流 領事業務 教育と留学生交流 中国紹介 メディア案内 中国出入国関連情報 日本見聞
程永華大使が神戸市議会における講演
2014/05/15

-----神戸を通してアジアの中日関係を見る-----

(2014年5月13日)

 皆さま、こんにちは。

 このたび、神戸市議会、また神戸市各界の友人の皆様とお会いし、交流できることを大変うれしく思います。私はこれまで何度も神戸を訪れたことがあり、神戸の美しい自然風景と多様な文化が私に深い印象を残してくれました。それととも1995年の阪神淡路大震災も深い印象を残しました。その時、私はちょうど中国外交部の日本課長として関西を訪問していて、その日の夜は大阪のホテルに泊まっていました。身をもって天地を揺るがすような強い揺れを体験し、そして大震災が住民と社会全体に与えた損害と破壊をこの目で見ました。災害に情なくとも人に情あり。私が北京に戻った後、現場での身につまされる体験を少しでも多くの人々と共有しようと、中国政府による阪神淡路大震災への救災支援活動に積極に参加し、神戸の震災復興に微力ながらも自分の力を捧げました。それから20年近くが立ち、神戸が位置する阪神地域は、不撓不屈(ふとうふくつ)の精神を徹し、震災復興の努力を積み重ねることによって苦難からの再生を見事に実現し、新たな復興と飛躍的な発展を成し遂げました。現在、もっと先進的かつ繁栄した都市群が聳(そび)え立っています。また、この都市群が日本の経済、社会及び文化の発展の中で重要な地位を占めています。この場をお借りして、神戸市の建設と発展が成し遂げた成果に対し、賞賛と祝賀の意を表したいと思います。

 友人の皆様、

 神戸と中国との間では、長い交流の歴史があり、ご縁と絆が延々と続いてきました。早くも8世紀において、神戸が古代中国との貿易と文化往来をスタートし、神戸がその時から、西日本での重要な貿易港と交通要所となりました。近代になって以来、神戸には数多くの中日交流史上の忘れがたい歴史の美談が残されてきました。最もよく知られているのは、中国近代革命の先行者である孫文先生が、かつてここで救国運動を展開した話です。神戸孫文記念館は日本において唯一孫文先生を記念するための博物館であり、当時の数多くの貴重な歴史資料がそこに保管されております。中日国交正常化以来も、神戸市はずっと対中交流の先頭に立っております。1973年に、周恩来総理のご支持のもと、天津市と神戸市が率先して姉妹都市を結び、中国と外国との間での姉妹都市外交の先駆けとなりました。今日に至っても、国際大都市としての神戸には、中華文化の要素が数多く保存されています。神戸の町を歩いてみれば、多くの所に中日間の人的交流の活発さを実感することができます。その中に、百年以上の歴史を誇る中華街と中華同文学校は神戸と中国との世世代代に引き継がれた深い絆の象徴があります。数多くの華僑が日本人とともに地元の発展のため貢献しました。

 神戸と中国との経済貿易往来は重要な成果を遂げ、両国民に着実な福祉と利益をもたらしてきました。神戸が阪神経済圏の中心部に位置する日本最大級の港の一つとして、対中協力の天然優位性に恵まれていると言えます。近年来、神戸市が姉妹都市関係をきっかけに、天津との経済貿易関係発展に力を注ぎ、運輸・旅行・環境・医療などの分野における協力も積極的に推進してきました。それと同時に、神戸が阪神大震災後、直ちに「上海・長江交易促進プロジェクト」と「日中ビジネス企業誘致」を提唱し、日本の関西地域と中国の「揚子江デルタ地域」との経済連結融合をリードし、中日両国に経済が進んでいる地域間の協力のプラットフォームを築き上げました。2013年の神戸港対外貿易額の四分の一が中国との貿易であり、半分以上がアジアとの貿易であると聞きます。神戸と中国の間の交流と協力が今日のような成果を収められたのは、神戸各界の有識者の遠見卓識並びに幾世代にわたる人々の心血と努力が含められています。私たちは水を飲むときにその源を忘れることなく、大切にしなければなりません。

 友人の皆様、

 90年前の1924年に、孫文先生が革命生涯の晩年に、神戸でアジア主義に関する著名なる演説を発表しました。その中で「日本民族は既に一面、欧米の文化の覇道を取入れると共に、他面、亜細亜の王道文化の本質を有している。今後日本が世界の文化に対して、西洋覇道の鷹や犬となるか、或は東洋王道の干城(かんじょう)となるかは、日本国民の慎重に考慮すべきことである。」と指摘しました。日本のアジア政策は歴史上において、紆余曲折の道を歩んできました。19世紀末に、日本がアジアで最初に工業文明をとりいれ、明治維新によって強い近代日本を築き上げる道を切り開きました。その後、「脱亜入欧」政策を選び、アジア国家としてのアイデンティティを否定する上で、西側列強の列に入り、武力強権でアジア近隣諸国を侵略支配する軍国主義拡張路線に暴走してしまい、結局は失敗に終わりました。戦後日本は平和発展の道を歩み、自国の速い経済発展を実現、アジアの経済発展にも積極的に寄与しました。日本はアジア諸国との関係を再構築すると同時に、地域の平和、安定と繁栄に積極的な貢献をされました。

 同時に、近年来日本が中国、韓国を含めたアジアの主な隣国とずっと波風が絶えないことにも留意せざるを得ません。領土問題が目立ち、一部の勢力が歴史を直視することを避け、軍事安全保障分野において、一部の人が隣国のいわゆる「脅威」を騒ぎ立て、軍備拡大を推進すると同時に、地域外の大国を引き入れて対抗しようとしています。グローバリゼーションと地域協力が絶えず進んでいる今日において、冷戦思考と「ゼロサムゲーム」は時代遅れであり、自国及び地域に安全と安定をもたらすことはできません。

 私は対外交流の際も、新聞雑誌を読む際も、時に一部の西側の外交官と日本の国民はこんな疑問をもっていると気づきました。「日本は地球儀外交をやると言って、なぜ主要隣国の二つの国とうまく行きませんか?なぜ欧米や西側諸国と仲良くして、中韓のような近隣だけ関係が遠いですか?」と。指摘しなければならないのは、日本のアジア政策が20世紀における経験と教訓を思い出すと、日本は隣国といかに付き合うべきかを冷静に長い目で考えるべきだと思います。

 友人の皆様

 「世界の大勢は滔々として流れており、これに従って行けば栄える、逆らうと滅びる。」これは孫文先生が中国の民主革命の情勢を判断する際に発表した名言であります。今アジアは活力に溢れ、後発的な優位性がより顕在化しています。21世紀はアジアの世紀、アジアの時代と多く言われております。アジアが平和発展と安定繁栄に対するゆるぎない追求が、世界発展の持続的な原動力となり、国際社会の共同利益と期待と一致し、人々の心の赴くところで、時代の流れに合致しております。

 アジアの美しい未来を実現するには、地域各国の共同努力が不可欠です。中国の発展はアジアと緊密に関連し、アジアの平和、安定と繁栄に中国は重要な責任を担っております。

 中国がアジアの発展を推進する能力を持っています。近年来中国は経済の安定かつ比較的に早い成長を保ち、アジアの発展にすでにまた引き続き持続的な原動力を注いでいきます。中国が9兆ドルの経済規模を超え、今後も7.5%前後の比較的に速い成長を維持していく能力を持っています。中国は今、改革を全面的に深化させ、改革開放にさらに力を入れ、構造調整と民生改善を加速させ、新型の工業化、情報化、都市化、農業の近代化のプロセスを推進し、これは中国発展の潜在力とスペースを最大限に引き出し、また巨大な投資と消費の需要を呼び起こします。今後の5年間にわたって、中国は10兆ドルの商品を輸入し、対外投資規模が合計で5000億ドルを超え、また延べ5億人が海外旅行をする見込みで、これらがアジアに大きな利益をもたらしていきます。

 中国がアジアの平和を維持する決意をもっています。中国が平和発展の道を堅持し、一貫として「隣国を善とし、隣国を友にする」という周辺外交の方針を実施しています。中国がすでに「二つの百年の目標」を確定し、2020年に国内総生産と住民一人当たり所得を2010年の2倍にし、わりあいゆとりのある社会を全面的に完成させ、今世紀半ばまでに富強、民主、文明、調和のとれた近代的な社会主義国家を完成させることです。この「中国の夢」を実現させるには、二つの基本条件が必要です。一つは調和で安定した国内の環境、もう一つは平和で安らかな国際環境です。中国は周辺で「親、誠、恵、容」の理念を重視し、中国の発展で周辺に利益をもたらし、包容かつ開放的な発展の実現を提唱しています。中国と周辺の一部の国との間で、海洋領土の係争を抱えています。我々は、本国の領土主権を守る意志を断固として持っていると同時に、紛争を平和的に解決する明確な主張を堅持し、各国と共に地域の平和と安定を維持していきたいと思います。

 中国がアジア協力を推進する行動をとっています。過去十数年の中で、アジア域内の貿易規模は1兆ドルから3兆ドルまで拡大し、域内各国貿易総額に占める割合が3割から5割まで上昇し、今後アジア経済融合のプロセスがさらに加速していきます。中国が貿易の自由化と投資の便利化を積極的に促進し、地域とサブ地域協力のレベルアップをはかっています。中国がアジアインフラ設備の相互連結を高度に重視し、陸、海、空の運輸などのインフラ設備建設の推進に参加し、「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海上シルクロード」を構築していきます。中国はアジア各国間で産業の相互連結と相互補完の優勢を発揮させ、産業の上、中、下流の全方位での深い協力を展開させ、産業ネットワークと経済メカニズムを形成させます。

 中日はアジアの大国として、両国のGDP総額が東アジアの八割を占め、人口と貿易総額がそれぞれ東アジアの七割を占めています。当面中日関係は非常に困難な局面に直面し、両国の交流と協力を妨害し、また双方の地域での協力にも一定の影響を及ぼしています。これは両国と両国国民の利益に合致せず、共同発展と協力ウインウインという時代の流れに合わず、われわれが目にしたくないことです。アジア発展の大きな視点に立ち、双方が以下の努力をすべきだと考えています:

 まず第一は、両国関係の困難な局面を転換させ、アジア協力の二国間の基礎をさらに強固にすること。両国関係を改善させるために、中日間の四つの政治文書の精神に基づき、歴史、釣魚島などの問題を適切に処理しなければなりません。両国関係をうまく整理すれば、中日が地域協力の中で存分に力を合わせ、ともに前へ進んでいきます。

 第二は積極的な二国間政策を堅持し、アジア協力の正しい方向を把握すること。中日はお互いに積極的な友好政策を実施し、開放的かつ包容な心を持ち、相手のことを敵ではなく、パートナーと見なし、また脅威ではなくチャンスと見なし、絶えず相互信頼を深め、交流と協力を促進していきます。それを踏まえて、中日は真にアジアを発展繁栄の共同な家と見なすことができます。

 第三は多国間での実務的交流を保ち、アジア協力の利益の絆を強固なものにすること。中日は利益の接点に立ち、中日韓、「アセアンプラススリー」などの枠組みの下で投資貿易、金融通貨、環境保護、災害対策などの協力を引き続き展開していくべきです。中日は「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)を共同で提唱しましたが、中日を含めた各国が手を携えて努力し、地域自由貿易交渉のプロセスを積極的に推進していくべきです。

 みなさま、

 今年は神戸開港144周年に当たります。百年余り以来、神戸は日本と世界との往来の先頭に立ち、日本の対外交流・協力の方向を導いてきています。神戸はいま、環境モデル都市と医療産業都市の計画を力強く推進していることを伺っています。これは神戸が世界の新しい経済産業の発展の機先を認識してそれを制するという進んでいる意識を裏付けています。昨日、神戸キメックセンタービルを見学させていただきました。神戸の医療産業都市建設の状況を拝見し、それを通じて医療産業をアジア及び中国とドッキングさせようとする神戸の熱情を感じています。アジアに立脚し、長期的な視点をもって、神戸が一層大きな発展を遂げ、地域と世界の発展のためにさらに大きな貢献ができるよう信じております。

 ご静聴、どうもありがとうございました。

推荐给朋友
  印刷 全文印刷