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中国の発展とアジアの未来 程永華駐日大使の広島大学における講演
2013/12/04

   きょう美しい広島を訪ねて、広島大学の多くの教官・学生および友人の皆さんとお会いし、交流できたことを大変喜んでいます。ここを訪れて、広島大学は規模の大きい、学科の揃った、施設の新しい総合的な最高学府であると感じ、また開放的・活発で、真剣・謹厳な学術研究の雰囲気を感じています。長期にわたり、貴大学は「自由と平和」の建学精神を貫き、平和を希求する精神、新たなる知の創造、豊かな人間性を培う教育、地域社会・国際社会との共存、絶えざる自己変革という5大基本原則の理念に導かれて、誰もが認める教育の成果を収め、日本と世界で名声を得ています。ここで、広島大学が痛ましい原爆の歴史的教訓を踏まえ、世界平和の提唱から始めて、たえず大学の国際化、多様化を進め、包容性を高めていることに触れておかなければなりません。現在、貴大学は世界66カ国・地域の1千人近い留学生を受け入れ、優れた国際的な人材を次々に育成し、また世界各国の若者の理解と友情の増進ための場を提供しています。この1千人のうち、約半数は中国からの学生だと聞いています。この機会を借りて、広島大学による中国人留学生の教育とお世話に謝意を表したいと思います。

   教官、学生、友人の皆さん

   中国はこの数年急速な発展をとげ、近代化において注目される成果を収め、中国人民に極めて大きな福祉〈幸福〉をもたらしました。中国が発展するのに伴って、世界でもいろいろな議論が起きています。例えばある人は、中国経済は急速な発展を続けられるか、強大になった中国は対外的に覇権を求めないかといった問題を提起しています。以下、最近の状況を踏まえて、中国の発展の方向と政策について紹介したいと思います。皆さんの中国理解、認識に少しでも役立てば幸いです。

   中国は最近、中国共産党第18期中央委員会第3回総会(18期3中総)、周辺外交活動座談会という二つの重要な会議を開いたばかりです。そして内に対して改革の全面深化という重要な決定をし、改革・開放の一段の推進という方向を決め、外に対しては平和的発展の道を堅持し、周辺諸国との善隣友好関係を発展させることを強調しました。「改革・開放」と「平和的発展」という二つの中核的概念を理解するには、四つの点から入ってもよい、と私は考えています。

   第一は、「中国の夢」と二つの「百年の目標」を実現するためのものという点です。「中国の夢」の基本的内容は国家の富強、民族の振興、人民の幸福の実現で、具体的目標は「二つの百年」、つまり2020年までに小康社会〈わりあいゆとりのある社会〉を全面的に完成させ、今世紀中葉までに富強の、民主化、文明化し、調和した近代的社会主義国を完成させて、中華民族の偉大な復興を実現することです。この目標に達するためには、改革・開放の全面的深化を通じて新しい情勢の下で生じた新たな問題や任務を解決し、制度の自己完結と発展をたえず推し進める必要もあれば、またひたすら平和的発展の道を貫き、長期的な平和で安定した外部環境をめざし、整える必要もあります。私たちはこのような「中国の夢」と「二つの百年の目標」の実現に十分な自信をもっています。同時に「中国の夢」と平和的発展を望むアジアひいては世界各国のビジョンには通じるところがあり、相互に促進することができます。

   第二は、経済・社会の持続可能な発展に必要なものという点です。経済をみると、中国経済は中・高度成長の新たな段階に入り、成長パターンの大きな転換と経済構造の大きな調整を迎えています。社会をみると、目下中国には都市と農村間、地域間の格差が存在し、教育、雇用、社会保障などの問題が生じ、矛盾が増えています。このような状況下で、中国の経済・社会が前進を続けるには、改革・開放を深める以外に道はありません。18期3中総で改革を全面的に深める全体的配置が定められたのは、改革を通じて社会主義市場経済、民主主義政治、先進的文化、調和社会およびエコ文明の統一的な発展を加速し、より多くの発展の成果を生み出すためにほかなりません。この過程では、自ずと平和的発展を堅持することが欠かせず、隣国に善意で対し、隣国をパートナーとすることが欠かせず、各国と平等な協力を繰り広げ、互恵・ウィンウィン〈共に勝者となる意〉を追求することが欠かせません。

   第三は、歴史的文化的蓄積と発展の経験の延伸だという点です。中国があくまでも改革を通じて自己完結・発展を追求しようとするのは、「革故鼎新」〈古いものを改め新しいものを作る〉、「与時倶進」〈時代と共に進む〉の伝統にその源があり、また改革・開放後35年間の成果の中に含まれた貴重な経験によるものなのです。中国があくまでも平和的発展の道を歩もうとするのは、「親仁善隣」〈仁義を大切にして周囲の国や人と仲良くする意〉、「講信修睦」〈信用を重んじ融和をはかる意〉にその源があり、また近代以降列強の対外侵略が最終的に失敗し、覇権が自滅の道をたどったことへの洞察によるものなのです。今後しばらく、中国は改革・開放の正しい道に沿ってより大きな歩みを進め、資源配分における市場の決定的作用をしっかり発揮させ、都市・農村の一体化した発展を促し、政治協議の民主と司法の改革を推し進め、国家の安全と社会の安定をよりよく守っていきます。同時に対外開放の新しい道をたえず模索し、外国との自由貿易協定調印、国内での自由貿易試験区設立などの方法を通じて、投資の受け入れを拡大し、貿易の円滑化をさらに進めていきます。

   第四は、時代の潮流と人民の願いに沿っているという点です。時代の潮流とはどんなものでしょうか。私は、大多数の人は「平和、発展、協力」だと考えると思います。中国が改革・開放を全面的に深めることは、自国の発展に強大な原動力を与え、世界各国の経済協力により多くのチャンスをもたらすでしょう。中国が平和的発展の道を歩むのは、時代発展の流れと根本的な利益に基づく戦略的選択なのです。中国はしかるべき国際的責任を果たし、世界の平和を守り繁栄を促す勢力になることを願っています。人民の願いとはどのようなものでしょうか。平たく言えば、庶民が安らかに暮らせるようになることです。中国は民生を一層重視し、改革と発展の成果がより公平にすべての人民に及ぶようにします。中国は、目立った大気汚染や食品の安全性など、大衆の関心の強い問題をしっかり解決します。中国はさらに国家の安全と社会の安定を守り、庶民が安心して暮らし楽しく生業に励めるようにし、周辺の安定と調和をはかります。

   教官、学生、友人の皆さん

   広島は日本の対外往来の重要な港で、中国はじめアジア各国との頻繁な貿易取引が行われています。広島の地に立てば、アジアが中日共同発展のための空間であり、アジアの未来が中日の将来と運命にかかわることが切実に感じられます。

   いま、アジア全体が急速に発展し、旺盛な活力と潜在力を示し、世界経済の重要なエンジンになっています。今後のアジアの発展は重要な二大チャンスを迎えています。第一は成長のチャンスです。アジアの発展途上国の経済成長率は2012年が6・1%で、今年は7・0%に上昇する見通しです。近年、世界経済の発展に対するアジアの寄与率は50%を超えており、世界経済に占めるアジアの割合は今後もさらに上昇する可能性があります。

   第二は統合のチャンスです。アジア統合のプロセスは着実に進んでおり、自由貿易圏づくりがたえず前進し、地域の資金、情報移動と人的移動の加速の余地を与えています。そして各経済体〈エコノミー〉間の産業の分業がよりはっきりするようになり、アジア大市場のひな型が現れています。中日韓自由貿易圏と東アジア地域包括的経済連携(RCEP)はアジアの自由貿易体制づくりの二大ハイライトで、アジアの開放型経済と地域協力の枠組みを支える重要なものになるでしょう。

   中国、日本は共に世界の主要な経済体と地域の重要な国であり、両国の経済総量は世界全体の約20%、東アジアの約80%を占めています。中国、日本とアジア諸国との貿易はそれぞれ1兆3000億㌦と8000億㌦に達し、両国はアジア経済の発展でなくてはならない重要な地位を占めています。中国、日本はアジアの発展のチャンスからそれぞれの発展のための原動力を得るとともに、自らの発展およびお互いの相互作用〈インタラクション〉を通じてアジアの安定と繁栄に大きな影響を及ぼしています。

   一頃から、中日関係が重大な困難に陥り、両国の交流と協力を妨げ、そのため地方間の協力も一定の影響を受けています。私たちはこのようなことを望んではいません。当面大事なのは、双方が対話と協議を通して釣魚島などの問題の適切な処理策をみつけ、中日関係を正常な軌道に戻すことです。同時に、私たちは各分野の交流と協力を維持し、両国関係改善の条件を整えたいと考えています。

   地域協力は両国関係の重要な一部であり、中国は日本とアジアにおける協力を維持し、そのプロセスを引き続き進めることを願っています。最近中国の指導者は周辺外交活動座談会で、アジア太平洋の大きさは皆が共に発展するのに十分なものであり、中国は一層胸襟を開き、一層積極的な態度で地域協力を促進すると強調しました。中国は互恵・相互利益の原則にのっとって周辺諸国と協力を繰り広げ、一層緊密な共通利益のネットワークを作ることを願っています。日本は中国周辺の重要な国であり、私たちは共に努力して、アジア振興のチャンスを逃さず、アジアにおける投資・貿易、金融・通貨、インフラ建設、相互接続・連絡などの協力を強化し、それぞれの一段の発展を実現すると同時に、共に地域の平和と安定の守り手、地域統合の推進者になることを願っています。

   教官、学生、友人の皆さん

   青年は国家と民族の希望であり、中日関係の発展とアジア振興の希望は青年にかけられています。広島出身の有名な日本画の大家、中日友好の先駆者平山郁夫先生はかつて、アジアは2000余年の歴史をもつ文化圏であり、日本が中国などアジア各国と手を携えて、アジアの明るい未来に向かうよう希望すると述べておられます。ここにおられる学生の皆さんがもっとアジアに関心を寄せ、中日関係に関心を寄せて、中日間の相互信頼と友誼のため、アジアの連帯と繁栄のために積極的な役割を果たされるよう心から希望する次第です。

   ご静聴ありがとうございました。

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