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平和 交流 協力--程永華駐日大使の岡山県各界主催歓迎レセプションにおける講演
2013/12/04

 

   岡山県を訪問し、岡山各界の新旧の友人と一堂に会して、友情を温める機会に恵まれたことを非常に喜んでおります。まず岡山県歓迎実行委員会が私と同僚たちの今回の訪問のために周到な準備と手配をされたことに心より感謝申し上げ、ご多忙中、歓迎レセプションに出席された各界の方々に敬意を表し、挨拶を送ります。

   岡山県と岡山出身者には中国との友好交流の悠久な歴史があります。早くも1500年前、吉備真備が遣唐使として学問を求めはるばる長安に赴くとともに、その後日本に渡った鑑真和尚と誼(よしみ)を結び、その後長く伝えられる美談を残しました。近代以降、岡山には内山完造、岡崎嘉平太、黒田寿男、大原総一郎氏ら、中日友好を主張する数多くの志士仁人が輩出し、中日文化、経済交流の先駆けとして、民で官を促すという角度から、中日国交正常化と両国関係の発展に積極的な貢献をしました。ここで、「井戸を掘った」岡崎嘉平太先生と岡山出身の元首相橋本龍太郎先生に特に触れたいと思います。私はかつて幸いにも、仕事でお二人と接触し、中国との交流・協力に対する確固たる意思と真摯な気持ちを感じ、多くのことを学びました。この機会に、岡山県出身の中国人民の古い友人諸氏に謹んで深い追慕の念を表したいと思います。

   友人の皆さん

   昨年は中日国交正常化40周年、今年は中日平和友好条約締結35周年にあたり、記念すべき二つの重要な年です。40年余りの中日関係の歩みを振り返ると、双方が風雨にもめげず、堅塁を攻略、困難を克服し、両国関係を促進して急速な進展と巨大な成果を収めたことがわかります。政治面で、双方は1972年の「中日共同声明」、1978年の「中日平和友好条約」、1998年の「中日共同宣言」および2008年の「中日共同声明」という四つの政治文書の調印、発表によって、戦略的互恵関係という大きな方向を確立しました。経済面で、両国の経済・貿易協力は日増しに深まっています。2012年の中日貿易は3200億㌦に達し、40年前の300倍余りになりました。人の往来は500万人余りに上り、国交正常化当時の500倍になりました。友好省県と都市は250組余りにも上っています。これらの成果はたやすく得られたものではなく、双方の数世代の人々の心血が注がれており、私たちとしてはこれを一層大切にし、ますます光り輝くものにしていくべきです。

   周知の原因によって、中日関係はいまなお非常に厳しい局面にあり、両国のハイレベルの往来が中断状態に陥り、政治的相互信頼が弱まり、各分野の交流・協力が妨げられ、国民の友好的気持ちが後退しています。これは両国と両国人民の利益に合致せず、両国各界の人々は一様に憂慮しています。このような不正常な状態をわれわれは望んでいないし、日本側も望んでいないと信じます。

   先ごろ、中国は周辺外交活動座談会を開きました。座談会では5ないし10年の周辺外交活動の方針と配置が打ち出され、中国が隣国に善意で接し、隣国をパートナーにする方針、隣国と仲よくし、隣国を安んじ、隣国を豊かにする方針を堅持することが明確にされ、「親、誠、恵、容」の理念がはっきり体現されました。「親」とは親仁善隣〈仁義を大切にして周囲の国や人と仲良くする意〉により、山河が連なり、文化が相通じる伝統的友誼を伝承することです。「誠」とは、「誠を信の本と為し」、信義を重んじ、言ったことは必ず実行することです。「恵」とは、中国の発展を周辺に及ぼし、互恵・ウィンウィンを実現することです。「容」とは、「海納百川」〈大海は百川を受け入れる。包容力の大きいたとえ〉により、和して同ぜず、多様なものが共生する包容的開放的な発展を実現することです。

   日本は中国の重要な隣国であり、中国側は周辺外交活動会議の精神に基づいて、日本を含む隣国と善隣友好関係を発展させます。中国は一貫して中日関係を重視し、つねに中日関係の長期的で健全な安定した発展は両国および両国人民の根本的利益に合致すると考えています。私たちは引き続き中日の四つの政治文書を踏まえ、「歴史を鑑とし、未来に向かう」精神にのっとって、中日の戦略的互恵関係をたえず前進させることを願っています。私たちは日本側も中国側の前向きの姿勢を十分に重視し、肯定的〈positive〉に理解し、中日関係の改善で誠意と実際の行動を示すよう希望しています。

   友人の皆さん

   きょう私が「平和、交流、協力」と題して講演するのは、中日関係の長期的発展と戦略的大局に着目したからで、私たちはこの三つのキーワードを両国関係の主旋律にし、中日関係が風に乗り波を蹴立て、今後の持続可能な発展を実現するための基礎にすべきであります。

   第一に平和を守るべきです。中国と日本は引っ越すことのできない隣近所であり、「和すれば共に利し、闘えば共に傷つく」というのは双方が2千年の交流史と近代の不幸な歴史から汲み取った大きな経験と教訓であり、両国人民は仲良くするほかなく、対立はできません。同時に、アジアと世界の重要な国として、中国と日本はアジア太平洋の平和と安定に大きな影響力をもち、重要な責任を負っています。2008年の「中日共同声明」は、▽長期にわたる平和及び友好が双方にとって唯一の選択である▽両国は互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならないことを確認した▽双方は、互いの平和的な発展を支持する―とうたっています。双方は、この文書の精神を固く守り、この共通認識を行動面で実行に移し、これを人々の間に浸透させ、一層幅広い社会的なコンセンサスにすべきです。

   現在、釣魚島問題は両国関係において非常に際立っており、両国関係の行き詰まりをもたらした根本的な原因です。双方の主張と立場は違っていますが、私たちは日本側とあくまでも対話・協議を通じてこの問題の適切な解決をはかり、問題管理の道を見つけることを願っています。同時に、双方は危機管理を確実に強め、不測の事態を防ぎ、関係海域の平穏と安定を守るべきです。

   中国の指導者が何度も、中国は揺るぎなく平和的発展の道を歩むと言明しているのは、時代の潮流と自らの根本的利益に基づいた戦略的選択であり、中国は覇権を求めない約束を遵守し、永遠に世界の平和を守る確固たる力になるでしょう。戦略的相互信頼の不足という両国の欠陥に対して、私たちは引き続き日本と防衛安全保障分野で信頼を醸成、疑念を解消し、協力を進めることを願っています。

   中国の急速な発展に伴って、日本国内では対中戦略の位置づけで3種類の傾向がはっきりと現れています。第一は中国を外部からの脅威やライバルとみなし、あらゆる方法でこれをけん制し、防備しようとするもの。第二はあっさりと中国を仮想敵国にし、進んで同盟国を引っ張りこんで、包囲し封じ込めようとするもの。第三は中国の発展をチャンスとみなし、中国との協力を強め、共に発展しようとするもの。現在の日本国内の状況をみると、前の2種類の傾向が増大し、3種類目の傾向は弱まりつつあるようで、このことは両国関係の改善にとってマイナスです。私たちは日本側が理性的客観的な心理状態で中国の発展をみるよう希望しています。

   中国人民が日本の安全保障の動向にも大変敏感なことを見るべきです。これは過去の不幸な歴史に対する記憶から来ていますが、現実の中での歴史問題とも深いかかわりがあります。私たちは、日本が歴史を直視する精神にのっとり、これまでの約束と共通認識に基づいて歴史問題を適切に処理するよう、同時に、安全保障政策の見直しにあたって隣国の受け止め方にも配慮し、引き続き平和的発展の方向を貫くよう希望しています。

   第二に交流を深めるべきです。中国と日本が地理的に近く、文化が相通じ、人文交流の歴史が長いことは、その深まりにおいても広がりにおいても世界の国家関係ではまれにみるものです。世界でおそらく日本ほど中国の文化をよく知り、認めている国は見当たらないだろう、中国と日本はそれぞれの相手以外に、筆談のできる国は見つからないだろう、というのは少しも誇張ではありません。こうした地理的、心理的な近さは、中国と日本が交流を進める有利な条件を与え、厚い基礎を築いています。

   このところ、両国の政治関係が冷え込んでいることから、両国の友好交流に支障が生じ、国民の友好的感情が影響を受けています。調査によると、両国国民の相互好感度は10%にも達しておらず、これは残念なことです。しかし私は同時に、両国国民で相手国との関係を重要と考える人も70%を超え、中日関係改善がなお世論の主流であることを示している点にも留意しています。日本の社会で中国に友好的な勢力の数はなお少なくありません。各界の人々と接触したり、地方に出かけたりすると、いつも東京の永田町や霞が関と違った空気を感じることができ、友好的な雰囲気に励まされています。

   現状について、私たちは国民感情の悪化傾向に緊張感をもつとともに、両国の子々孫々の友好に強い自信をもつべきです。実際の行動で大事なのは、現在に立脚し、長期に着目して、交流の勢いをたえず維持、拡大し、両国人民の相互理解と友好的感情をたゆみなく増進させ、両国関係の長期的で安定した発展のための社会的基礎を固めることです。第一は草の根の交流を強化し、青少年や末端市民間の交流を根気よく進めることです。第二は地方間の交流を強化し、友好都市間の相互作用〈インタラクション〉の活発さを維持することです。岡山県と江西省、岡山市と洛陽市が友好関係を結んでいることは私も知っており、岡山と中国が交流を続け、友情を深めるよう希望しています。第三はメディアの交流です。私たちは両国メディア間の交流を大いに支持、促進し、メディアが市民に真実の日本、真実の中国を全面的に紹介するよう励ますべきです。

   第三に協力を進めるべきです。長い歳月を経て、中国と日本の互恵協力は極めて大きな成果を収め、両国人民に実際的な福祉〈幸福〉をもたらし、すでに「持ちつ持たれつ」という切っても切れない共通の利益構造を形作っています。将来を展望すると、中日両国の協力の余地は広く、潜在力は大きなものです。中国共産党第18期中央委員会第3回総会で改革を全面的に深める重要な決定がなされたことは、日本を含む世界各国に経済協力の市場とチャンスをもたらすでしょう。中国はいま、経済発展パターンの転換を急ぎ、国内の自由貿易区建設を進め、同時にエコ文明を建設し、大衆が関心を寄せる大気汚染と高齢化社会、社会保障などの問題解決に力を尽くしていますが、これらはすべて中国と日本が協力を深めるための新たな、重要なチャンスを与えています。日本は成熟した製造業および豊富な経営管理の経験と技術を持っており、双方は経済発展の流れと互いの必要性に着目して、グリーン、環境保全、低炭素、循環型経済、医療などの分野で協力を強化し、両国の経済・貿易を新たな段階に推し上げるべきです。

   私は、岡崎嘉平太先生がかつて、「アジアの平和と繁栄には日中協力が欠かせない」と述べられたことを覚えています。このことばは真理です。中国と日本はいま中日韓自由貿易交渉に参加しており、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)など自由貿易交渉の共同提案国でもあり、アジアの投資・貿易、金融・通貨、インフラ建設、相互接続・連絡など幅広い分野の地域協力において共通のことばをもっており、両国はさらに手を携えてアジアの協力プロセスを進め、アジアの恒久平和と共同の繁栄のために努力を払うべきです。

   友人の皆さん

   中国の有名な文豪、中日友好協会初代名誉会長の郭沫若先生は岡山で学び暮らした経験があります。先生は中日国交正常化の際、題辞をしたため、中日関係を「情は肺肝に比し、形は唇歯と同じ」と形容し、双方は「言行信果にして、万邦と和睦する」べきとしました。この比喩は非常に適切で、願いも非常に真摯なものです。両国が善隣友好の関係を築くことは、両国人民と国際社会の期待にかなっています。私は岡山県はじめ両国の各界の人々が中国との交流の伝統を受け継ぎ、発揚し、中日協力事業を一段と推し進め、中日の平和共存、代々の友好の実現に積極的に貢献されるよう心から希望しております。

   ご静聴ありがとうございました。

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