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程永華大使の日本記者クラブでの講演
2013/04/21
 

   記者のみなさん:

   こんにちは。本日再びここで、中国と中日関係に関心を持つ多くの記者の方々と交流することができ、大変うれしく思います。3年前の4月27日、私が駐日大使となってすぐに、ここで皆さんと意見交換を行いました。時間がたつのは早いもので、3年前と比べ、現在の中国には新たな発展があり、中日関係にも新たな変化がありました。本日は中国の発展と中日関係の最新の情勢を結びつけ、皆さんが関心を寄せている幾つかの問題について私の考えをお話しし、参考にしていただきたいと思います。

   第一に、中国が最近打ち出した「中国の夢」が国際社会から幅広く注目を受けていますが、「中国の夢」の内容とそれが世界の他の国の発展にどのような影響を与えるのか、との質問にお答えします。

   「中国の夢」を追い求め、中華民族の偉大な復興を実現することは、近代以来の中国人民の宿願です。「中国の夢」の基本的内容は国家の富強、民族の振興、人民の幸福を実現することです。昨年11月、中国共産党は第18回全国代表大会(党大会)を開き、今後一定期間の発展の青写真、つまり「二つの百年の目標」を定めました。一つは2020年までに国内総生産(GDP)と都市住民の1人当たり所得を2010年の倍にし、小康(わりあいゆとりのある)社会を全面的に完成させることで、これは今世紀初頭20年間の「中国の夢」であるといえます。もう一つの「百年の目標」は今世紀中ごろまでに富強、民主、文明、調和の社会主義近代化国家を建設することで、これは今世紀初めの50年間の「中国の夢」です。この二つの百年目標を実現した後、中国はさらに前進を続け、中華民族は先進民族の仲間入りを果たし、人類のためにより大きな貢献をし、その時には、われわれは一段と高いレベルの「中国の夢」を追い求めているでしょう。

   一部の西側諸国の世論は漠然と「中国の夢」を「富国強兵」とみなしていますが、これは一面的な見方で正確ではありません。この素晴らしい願いを理解するためには、近代以降、中国が受けてきた西側列強の侵略、抑圧と、100年に及ぶ苦難を見つめなければなりません。過去の中国は非常に貧しかったが、新中国成立後の60年間、特に改革開放後の30年余りで人民の生活は大幅に改善し、社会の各事業は大きな発展を遂げ、中国は自らの国情に合った発展の道、すなわち中国の特色ある社会主義の道を歩んでいます。われわれの社会主義は依然として初級段階にあり、「中国の夢」の実現のためにはまだ多くの困難を克服しなければならず、これは長い歴史的プロセスです。

   「中国の夢」は中国人民の自国に対する期待であるだけでなく、われわれに託された世界と人類社会に対する夢なのです。われわれは、「中国の夢」を追い求める過程で、中国の前途と運命は世界の前途と運命と日ましに強く結びつき、中国の発展と進歩は世界と切り離せないことをしっかりと認識しています。中国は自らを発展させると同時に世界にも貢献し、世界の発展のためにチャンスを提供しています。21世紀に入って以来、中国経済は安定した比較的速い発展を続け、世界経済の成長に対して年平均20%を超える貢献をしてきました。国際金融危機の後、中国は国際通貨基金(IMF)に対し2度にわたり計930億㌦を増資し、世界経済の回復をけん引し、国際経済金融システム改革を推進する重要な力となりました。中国は絶えず対外開放を拡大し、2011年の輸出入総額は世界第2位に躍進し、外国直接投資の導入は世界第2位、対外投資は世界第5位となりました。この10年間、中国が外国に提供した各種の資金援助は累計で1700億元余りに達し、さらに債務免除などさまざまな方式を通して発展途上国の自主発展能力の向上を支援し、国際的な貧困撲滅事業に重要な貢献をしました。中国は現在第12次5カ年計画を実施しており、今後5年間で約10兆㌦の商品を輸入し、対外投資規模は5000億㌦に達し、海外旅行者は延べ4億人を超える見込みです。中国が発展すればするほど、アジアと世界にさらに多くの発展の機会がもたらされます。われわれが「中国の夢」の実現を追い求める過程で、世界の他の国の発展の利益を損なうことはなく、世界各国と共同で平和発展、協力とウィンウィンを実現し、アジアと世界の繁栄に貢献する過程であると言えます。

   第二に、中国が経済成長目標を主体的に下方修正したことは、中国の急速な発展期が終了したことを意味するのではないか、中国経済の前途は依然として明るいのか、という質問にお答えします。

   改革開放の30年余りを振り返ると、中国経済は急速な成長を続け、中国の姿は天地が覆るほどの変化を遂げ、われわれは高度に集中した計画経済から活力に満ちた社会主義市場経済への転換、衣食をやっと満たせる程度から全面的な小康社会建設の開始という歴史的飛躍を実現しました。過去5年間で、中国はGDPが26兆6000億元から51兆9000億元に増え、経済総量が世界第2位に躍進しました。中国が成し遂げたこれほどまでに輝かしい発展は、世界の歴史上類を見ないものです。

   中国は昨年から、経済成長目標を主体的に7・5%に引き下げましたが、昨年の実質成長率は7・8%、今年第1四半期は7・7%でした。中国が経済成長目標を見直したのは経済成長パターンの転換のためであり、地域の均衡のとれた調和した発展を推進するためであり、国内市場をより一層育て、民生により一層の恩恵をもたらし、経済成長の質と効率を高めるためです。現在の中国経済は全体的に良好で、今後の発展には依然として大きな優位性と潜在力があります。昨年の中国東部沿海省の経済の伸びは鈍化しましたが、西部地区のすべての省で成長率が11%を超え、中でも貴州省は全国トップの19・3%でした。中国は現在積極的に新たなタイプの都市化と農業の近代化を推進しており、それが今後巨大な消費と投資の需要をもたらすだけでなく、より多くの雇用機会を生み出し、中国経済が引き続き急速な発展を続けるための強力な原動力となるはずです。

   今年の「両会(全国人民代表大会と政治協商会議)」期間中、李克強首相は中国が引き続き勇気と智恵をもって経済のタイプ転換と発展を進め、経済の高度化バージョンを築くことを打ち出しました。経済の高度化バージョンの内容は豊富ですが総括すると、内需に立脚し、開放を拡大する中で国内市場を育成、開拓し、安定成長の中で質と効率を高め、人民の生活水準を絶えず向上させ、環境・資源を制約する難題を解決し、生産力の発展を縛る障害を取り除き、不合理な政策と制度規定を撤廃し、市場ができるものは市場にまかせ、民間がうまくできるものは民間に委譲することです。われわれには中国経済の発展の前途に大きな自信を持つ十分な理由があります。

   第三に、近年の中国の外交は気勢が荒く、他の国との対立や紛争の中で「力をちらつかせ」始めているが、中国は「国が強くなると必ず覇を唱える」古い道を歩むのか、との質問にお答えします。

   「国が強くなると必ず覇を唱える」のは歴史上大国が台頭する際に繰り返されたことですが、これは今までの経験に基づいた判断で、新たな国際政治の定式となると予言することはできません。中国は揺らぐことなく平和発展の道を歩み、「覇を唱える」古い道は歩みません。歴史的にみても、中国が平和を尊ぶことは、中国人がよく使い、日本の方にもなじみ深い「和を以て貴しと為す」、「和すれば共に利し、戦えば共に損なう」、「和諧(調和)」などの言葉からも中国のこの伝統的思想を理解することができます。また、近代以降中国人は侵略と戦乱の苦難を味わいつくし、平和の尊さを深く理解しています。中国には「己の欲せざるところ人に施すなかれ」という古い言葉があります。中国人民には骨身に刻まれた戦争と動乱の苦難の記憶があり、倦むことなく平和を求める心があります。中国は平和的な方法で国際紛争とホットな問題を解決することを主張し、武力に訴えることに反対しています。現実的にみて、われわれは中国が現在依然として、そして今後も長期にわたり社会主義の初級段階にあるという基本的国情に変わりはなく、人民の日ましに増大する物質文化と生活の需要と、遅れた社会生産能力の間の矛盾という、この主要な矛盾に変わりがなく、わが国が世界最大の発展途上国という国際的地位に変わりがないことを冷静に認識しています。中国が「二つの百年の目標」を実現するためには、長期的に平和で安定した国際環境が必要であり、中国は引き続き平和な国際環境を通して自らを発展させ、同時に自らの発展によって世界の平和を守り促進していきます。

   中国は責任ある大国で、われわれは相応の国際的義務を果たし、国際社会により多くの「プラスのエネルギー」をもたらしたいと願っています。われわれは国際関係の中で平等と相互信頼、寛容と相互に学びあうこと、協力とウィンウィンの精神を発揚し、共に国際社会の公平と正義を守ることを主張しています。各国は国連憲章の趣旨と原則を順守し、世界の文明の多様性と発展の道の多様化を尊重し、国際関係の民主化を推し進め、人類の文明の進歩を促さなければなりません。中国は終始一貫して隣国に善意で接し、隣国をパートナーとする周辺外交方針を堅持し、周辺諸国との政治的相互信頼を強め、実務協力を深め、人文(人と文化)交流を強化するために積極的に努めています。中国は国際的、地域的なホットな問題に対し引き続き建設的役割を果たし、和解をはかり話し合いを促す姿勢を堅持し、対話と協議を通して関係の問題を適切に解決するため、たゆまず努力を続けます。

   指摘すべき点は、われわれは平和的発展の道を歩むと同時に、国家の主権と領土の保全を断固として守り、この二つの原則は決して矛盾しないということです。これは地域の安定と世界の平和秩序を守るルールに合致するだけでなく、いかなる主権国家も持つべき基本的権利です。

   第四に、現在中日関係は国交正常化以来最大の難局に直面しており、釣魚島問題が両国関係の主要な障害となっていますが、中国の新指導集団の対日政策に変化はあるのかとの質問にお答えします。

   昨年は中日国交正常化40周年で、本来、両国関係において前人の事業を受け継ぎ、未来を開く重要な年となるはずで、両国は「国民交流友好年」として600余りの記念行事を計画していました。ところが結果は、両国関係にマイナスの事態が絶えず現れる一年となってしまいました。駐日中国大使として、私はこのことを非常に遺憾に思っています。昨年9月、日本の前内閣が中国側の断固とした反対にもかかわらず、釣魚島の「国有化」に固執し、両国の各分野の交流と協力が全面的停滞に追い込まれ、中日関係は国交正常化以来最も厳しい局面に陥りました。1972年の中日国交正常化と1978年の中日平和友好条約の協議の過程で、双方は「釣魚島問題は棚上げし、今後の解決に待つ」という了解と共通認識(コンセンサス)に至っていました。両国がこの了解と共通認識を堅持してきたことで、中日関係は40年にわたり安定した発展を遂げることができたのです。日本国内には中国が「実力行使によって釣魚島問題の現状を変えようとしている」という非難がありますが、これには根本的に根拠がなく、また事実でもありません。日本の「島購入」措置により両国間の了解と共通認識が完全に損なわれ、日本は双方の立場と主張の違いを認めることを拒否しています。中国は当然相応の措置を取り国家の領土と主権を守ります。

   中日両国はお互いに重要な隣国であり、中日関係は双方にとって最も重要な二国間関係の一つであります。中国の新たな中央指導集団の中日関係を重視する姿勢に変わりはありません。習近平総書記が年初に公明党の山口那津男代表と会見した際、中日の四つの政治文書は両国関係が困難に立ち向かい、乗り越え、絶えず発展するための「バラスト」であると強調しました。中国は引き続き両国の四つの政治文書を踏まえ、中日の戦略的互恵関係を絶えず前進させ発展させていきたいと願っています。

   両国関係の現在の正常でない状態は双方の利益に合致していません。俗に「まいた種は刈らなければならない」というように、日本が歴史と現実を直視し、十分な誠意をもって、実際に行動を起こし、中国と同じ方向を向いて進み、対話と協議を通して釣魚島問題を適切に管理、コントロールし、処理する方法を探し出し、中日関係を再び健全な発展の軌道に戻すことを希望します。

   ここにご出席の方々は、長期にわたり中国報道に携わり、中国の状況に対する理解も深く、みなさんが引き続き中国と中日関係に関心を持ち、みなさんのペンとレンズで、両国国民に前向きな情報を伝え、両国関係が「プラスのエネルギー」を積み上げ、相互理解と信頼を高め、誤った判断や邪推を減らすために建設的役割を果たすことを希望します。

   みなさんありがとうございました。

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