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南海仲裁裁判所のいわゆる裁決について中央メディアが楊潔篪氏にインタビュー(全文)
2016/07/20
 

    2016年7月14日、楊潔篪国務委員は南海〈南中国海〉仲裁裁判所がいわゆる裁決を出したことについて中央メディアのインタビューに応じ、中国の立場・主張を全面的に述べた。一問一答次の通り。

    記者:7月12日、フィリピンの南海仲裁裁判所がいわゆる裁決を下して、南海における中国の領土主権と海洋権益を否定しようと企てた。その後中国は「フィリピン共和国の申し立てにより設けられた南海仲裁裁判所の裁決に関する中華人民共和国外交部声明」、「南海における領土主権と海洋権益に関する中華人民共和国政府声明」及び白書「中国は南中国海における中国とフィリピンの紛争の話し合いによる解決を堅持する」を発表し、裁判所のいわゆる裁決を受け入れず認めないわが国の厳正な立場を表明するとともに、南海における中国の領土主権と海洋権益を再確認した。南海裁判所が下したこのいわゆる裁決をどうみているか。

    楊潔篪:このほど、南海仲裁裁判所がいわゆる裁決を下した。この裁決は完全に不法で無効なものだ。中国政府はすでに関係声明と白書を発表して、仲裁に断固反対し、裁決を受け入れず認めないわれわれの厳正な立場を表明した。中国の各界と広範な市民は中央政府の立場を断固擁護、支持し、続々と新聞・雑誌、テレビ及びショートメッセージ、ツイッター、ミニブログなどインターネットで文章や見解を発表して、不法な仲裁に反対し主権と権益を守る鮮明な態度を表明した。

    南海仲裁裁判は始めから終わりまで法律の衣をまとった政治的茶番劇で、その背後に人には言えないたくらみがある。一部の域外国は仲裁裁判を利用して南海における中国の主権・権益を否定しようとたくらみ、ひいては徒党を組んで、国際社会で中国を孤立させ、中国に泥を塗り、中国の平和的発展を牽制しようとしている。しかしすべては水泡に帰し、他人を害そうとして自らを害することになった。仲裁裁判は国際法治〈International Rule of Law国際的な法の秩序〉の精神に反し、地域の平和・安定を危うくし、国際社会の利益を損なうもので、世界の大多数の国がこのことをはっきりと見ていることを指摘しておかなければならない。現在、70余りの国及び国際、地域機構が声明を発表し、中国の立場に理解と支持を表明しており、それはこの政治的茶番劇に対する国際社会の態度を物語るのに十分で、中国を包囲し中国に泥を塗る一部の国の陰謀が失敗したことを物語るのに十分だ。

    主権問題は中国のボトムラインだ。中国は国土が広いが、先祖が残してくれた領土は一寸たりとも失うわけにはいかない。南海における中国の領土主権と海洋権益は二千年余りの歴史的実践の中で形成されたもので、歴史上法理上の十分な根拠があり、決してでたらめだらけのいわゆる裁決によって否定できるものではない。仲裁裁決で歴史的事実は消し去れず、南海における中国の権益・主張は否定できず、領土主権と海洋権益を守るわれわれの決意と意思を揺るがすことはなおさらできない。裁決を受け入れず認めない中国の立場が変わることはない。同時に、中国は引き続き平和的発展の道を揺るぎなく歩み、あくまでも対話と協議を通じて南海をめぐる係争を解決し、周辺諸国との善隣友好と互恵協力を発展させ、南海地域の平和と安定を共同で守っていく。

    記者:なぜフィリピンの仲裁申し立てを国際法違反というのか。

    楊潔篪:国際法治の基本的要求は法に基づいて事を運ぶことだ。中比の南海係争の核心は、領土問題と海域の境界画定問題だ。領土問題については、「国連海洋法条約」はまったく適用しない。海域の境界画定問題については、中国は早くも2006年に「条約」の規定に基づいて、紛争解決メカニズムの適用除外を宣言している。一方的に仲裁を申し立てたフィリピン・アキノ3世政権の行為は、南海の関係係争の交渉を通じた解決という長年来の二国間合意に違反し、中国とフィリピンを含むASEAN諸国が2002年に調印した「南海各国行動宣言」に違反し、国際法に違反し、「条約」に違反している。この仲裁は始めから終わりまで不法なもので、イコール国際法ではない。

    記者:なぜ仲裁裁判所には公正性と合法性がないと言うのか。なぜ仲裁裁決は不法、無効と言うのか。

    楊潔篪:仲裁裁判所の構成をみると、大部分のメンバーが右翼の色彩が濃く、ひたすら戦後体制の突破をはかってきた日本人の国際海洋法裁判所所長(当時)柳井俊二氏が指名したものだ。このほか、一部の裁判官と専門家証人は審理過程で、自らがこれまで長い間貫いてきた観点を覆し、フィリピン側の肩を持った。見識のある人なら誰でも、その中のインチキを見破れる。

    仲裁裁判所は中国が表明した厳正な立場を顧みず、勝手に管轄権を拡大し、南海の歴史と現実を完全に無視し、「条約」の関係規定を曲解し、最初から「条約」の内容を歪曲し、その越権、権限拡大によって下された裁決は当然ながら不法かつ無効である。仲裁裁判所は国際法を代表できず、国際的公平と正義はなおさら代表できない。

    記者:裁決の結果は中国の南海断続線にどんな影響があるか。

    楊潔篪:歴史の改ざんは許されず、法律の乱用は許されない。南海における中国の主権、権利と関連の主張は中国人民の何百何千年にわたる歴史的実践の中で次第に形成され、たえず発展してきたもので、かつ歴代の中国政府によってずっと貫かれてきた。中国政府は早くも1948年公刊の公式地図上に南海の断続線を表示し、南海諸島とその近海に対する中国の主権と関連する海洋権益を確認しており、これは疑いの余地のない歴史的事実である。中国は「国連海洋法条約」の締約国で、当然「条約」に定められた諸権利を有する。一方、南海における中国の権益の主張は「条約」が調印された時代より遥かに早く、それは「条約」によって否定できず、間違いだらけのいわゆる裁決によってはなおさら否定できない。南海における中国の主権と海洋権益は国際法と「条約」によって二重に保護されている。

    記者:南海仲裁裁判の裁決発表後、中国はどのようにして南海における領土主権と海洋権益を守っていくのか。

    楊潔篪:南海は中国人民の祖先が残してくれた海で、わが祖先が英知と命で開拓してきた財産である。南海の領土主権と海洋権益を守る中国政府の決意は確固不動のものだ。中国人民は他国の利益をほしがらず、他国の発展もねたまないが、決してわれわれの正当な利益を放棄することはなく、いかなる外国もわれわれが自国の核心的利益を取引に使うことを期待してはならず、われわれがわが国の主権、安全保障と発展の利益を損なう結果を飲み込むことを期待してはならない。中国政府と人民は引き続き心を一つに団結し、大きな力をつくりあげて、実際の行動でわが国のものであるすべての領土、すべての海域を揺るぎなく守っていく。

    記者:中国がフィリピンの南海仲裁裁判の裁決を受け入れず認めないことで、外部には中国は国際ルールを順守しないと言い、中国は平和的発展の政策を変えたと考える人もいるが。これをどうみるか。

    楊潔篪:フィリピンの南海仲裁裁判は中比の二国間合意に違反し、「南海各国行動宣言」に体現された地域ルールに違反し、「国連海洋法条約」を含む国際ルールに違反している。一方、中国が仲裁裁判に対してとった立場は国際法に完全に合致しており、この基本的事実は中国政府の立場を述べた一連の文書で十分説明されている。この基本的事実を歪曲し、それによって中国に泥を塗ろうとするのは、仲裁の本質、つまり国際法に名を借りて私欲をむさぼろうとする一部の国の茶番劇――を再度暴露するものである。

    中国はつねに国際及び地域秩序の守護者、建設者、貢献者である。70余年前、中国は直接参画して戦後の国際秩序を設計、確立した。70余年間、中国はつねに国連を中核とし、「国連憲章」の趣旨と原則を基礎にした国際秩序と国際体制を守り、国際法治を揺るぎなく守り、促してきた。中国は各国と共に、引き続き国際秩序と国際体制をしっかり守り、築いていく。

    仲裁裁判は中国の平和的発展の道を歩む決意をいささかも揺るがすことはできない。中国が平和的発展の道を歩むのは一時の便宜的措置ではなく、時代の潮流と自身の根本的利益に沿った戦略的選択である。中国はあくまでも平和共存5原則を基礎に世界各国との友好関係を発展させ、周辺諸国との互恵協力と連結性をたえず深めていく。あくまでも対話と協議を通じて関係の領土及び海洋境界画定問題を解決し、周辺地域の平和と安定を揺るぎなく守っていく。

    記者:南海の仲裁裁判は中国・ASEAN関係にどのような影響をもたらすだろか。今後の中国・ASEAN関係に何を期待しているか。

    楊潔篪:南海問題は中国とASEAN間の問題ではない。ASEANはこれまでずっと南海問題で中立の立場をとり、具体的係争に介入しないことを約束しており、したがって仲裁の問題において、どちらかに味方すべきではない。中国とASEAN諸国はつねに南海問題について率直的で且つ友好的な意思疎通をはかっておる。「南海各国行動宣言」を全面的且つ効果的に実行に移し、引き続き対話と協議を通じて南海の平和と安定を保つと同時に、「南海行動規範」の協議を着実に進め、コンセンサスを得た上で一日も早く合意することをめざしている。中国は引き続きASEANの関係直接当事者との意思疎通と協議を維持し、南海の係争を適切に処理していく。中国の願いは真摯なもので、政策は一貫したものだ。

    中国とASEANの関係は順調に発展し、見通しは明るい。今年は中国・ASEAN対話関係構築25周年にあたる。25年間、中国・ASEAN関係はさまざまの試練を経ており、著しい成果をあげた。双方の貿易額は25年前の100億ドル足らずから5000億ドル近くに拡大した。中国とASEANは互いに重要な貿易パートナーだ。双方の関係発展は、地域の各国人民に実益をもたらしたと同時に、大国と小国が平等に付き合い、共に発展を図る成功した手本を示した。

    今年9月、中国の指導者がラオスで開催される中国・ASEAN対話関係構築25周年記念サミットに出席し、ASEAN各国の指導者と共に、双方の今後の関係発展の青写真を描いて、戦略的意思疎通を強め、政治的相互信頼を深め、実務協力を強化し、人的文化交流を推進し、互恵・ウィンウィンの平和的発展を実現していく。

    記者:中比関係の将来をどう見るか。

    楊潔篪:中比は海一つ隔てた隣国で、両国には千年を超える友好往来の歴史がある。近年、フィリピン前政権が南海問題で中国を敵視する政策をとり、一方的に南海仲裁裁判を起こしたことにより、中比関係は深刻な困難に見舞われた。仲裁裁判は中比間の取り決めと国際法に背き、両国と両国人民の共通利益に背いており、中比関係の改善を妨げる主要な政治的障碍である。われわれはフィリピン新政権が中比の共通利益と両国関係の大局に立って、関連問題を適切に解決するよう希望している。中比が共に「南海各国行動宣言」の原則と精神を貫き、対話と協議を通じて意見の食い違いを適切に処理し、互恵・友好協力を堅持するかぎり、必ず両国関係のすばらしい未来を切り開くことができる。

    記者:域外国が頻繁に南海問題に介入することをどう見るか、中国はこの局面にどう対応するだろうか。

    楊潔篪:仲裁裁判は域外国が南海問題に手を出す典型的な事例である。南海問題は南海沿岸国間の問題で、当然当事者が平和的方法を通じ交渉で解決すべきである。長期にわたり、中国とASEAN関係国の共同の努力の下で、南海は持続的平和と安定を保ち、地域の発展と繁栄のための基礎を築いてきた。

    近年、一部の域外国が自分だけの利益から、「航行の自由」、「地域の平和維持」の旗を押し立てて、頻繁に南海問題に介入したことにより、南海問題がホット問題になっている。これらの行為は非常に無責任で、すでに南海の平和・安定に影響する主要なリスク発生源になっている。

    われわれはつねに、中国と南海の周辺諸国は意見の食い違いをうまく管理し、南海を平和、協力、友情の海に築き上げる知恵と能力があると考えている。むろん、域外国の南海地域における合法的権益も排除しない。われわれはこのように言っていると同時に、このように行動している。関係諸国が中国と南海周辺国の自主的選択を尊重し、より南海の平和と安定の維持に役立つこと(その逆ではなく)をするよう希望する。

    記者:中国の南海問題解決の道筋はどんなものか。

    楊潔篪:中国は平和的発展の道を堅持し、「隣国に善意で接し、隣国をパートナーにする」という周辺外交政策を堅持し、交渉・協議を通じた係争の平和的解決を堅持している。この政策のおかげで、新中国成立後、中国は14の陸上隣国中の12カ国と歴史的事実及び国際法の基本的準則に基づき、二国間協議と交渉を通じて、歴史的に残された国境問題を解決し、全体の90%以上にあたる2万キロ余りの境界線を画定または調査・測量のうえ画定した。このほか、中国とベトナムは交渉・話し合いを通じて、北部湾の海洋境界線を画定し、中国と韓国もすでに黄海海域の境界画定交渉をスタートさせた。

    地域の大国として、中国は地域の平和・安定維持の重要な意義と自ら担うべき責任をよく知っている。中国はこれまで関係国による中国南沙群島の一部島礁の不法占拠と中国の管轄海域での権利侵害行為に断固反対している。同時に中国は直接当事国と歴史的事実の尊重を基礎に、「条約」を含む国際法に依拠し、交渉を通じて関係の係争を平和的に解決する用意がある。南海の関連海域での共同開発を含め、中国は関係の直接当事国と実際的な性質を有する暫定的な取締を締結するためにあらゆる努力を払い、互恵・ウィンウィンを実現し、南海の平和・安定を共同で守る用意がある。

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