| 胡錦涛主席のAPEC・CEOサミットでの演説全文 |
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胡錦涛国家主席は13日、シンガポールで開かれた2009アジア太平洋経済協力会議(APEC)CEOサミットで、「協力の強い自信をもち、世界経済の振興をはかろう」と題する重要演説を行った。全文次の通り。 尊敬する議長 ご列席の皆さん アジア太平洋の商工業界の友人の皆さんとシンガポールに集い、「世界経済の再構築:危機とチャンス」というテーマをめぐって意見を交わすことができることを非常に喜んでいる。 現在、世界経済には安定化(下げ止まり)・回復の積極的な兆しがみられる。これは国際社会が一致協力し、共同で対応したたまもので、各国が一層自信をもち、協力を深めるのに役立つだろう。同時に、今回の国際金融危機によって、世界経済の発展パターンが持続不可能なもので、国際金融体制に重大な欠陥があるなどの問題が十分露呈されたこともみてとる必要がある。国際金融危機の深層部の影響は依然として存在し、世界の経済情勢好転の基礎は必ずしも強固でなく、国際的経済体制の内在的矛盾は根本的に解決されておらず、世界経済の全面的な成長回復はなお諸々の不確定、不安定要因を抱えている。 われわれは当面の困難に対応するため努力すると同時に、世界経済の長期的発展を考えて、多方面から手を付け、世界経済における深層部の、構造的問題を確実に解決し、危機を契機に変えて、世界経済の全面的な成長回復のために堅固な基礎を築くべきである。このために、以下のようないくつかの点を主張したい。 第一、確固たる姿勢で、貿易と投資の自由化、円滑化を積極的に推進する。貿易と投資の自由化・円滑化は世界の経済成長の回復と維持のための必須条件である。国際金融危機の衝撃の下で、さまざまな形の貿易・投資の保護主義が台頭しているが、これは各国が危機の影響から脱するのに役立たないだけでなく、世界経済の回復の脆弱性にとって脅威となる。われわれは引き続き貿易と投資の自由化・円滑化を推進し、あらゆる形の保護主義に反対すべきであり、特に発展途上国に対する不合理な貿易・投資制限策に反対すべきだ。われわれはドーハラウンド交渉を推進し、これまでの成果の固定化とドーハでの授権の尊重を基礎に、残された問題の解決を急いで、一日も早く全面的で、均衡のとれた成果を収めるようにし、ラウンド前進の目標を実現すべきである。アジア太平洋経済協力会議(APEC)の先進参加国は有効な措置を講じて、来年ボゴール目標が予定通り実現されるようにし、地域の経済・貿易の持続的成長のために新たな活力を注入すべきである。 第二、多くの手だてを講じて、地域経済の統合を積極的に推進する。地域経済の統合は域内の貿易と投資の活力を強めるのに役立ち、地域と世界の経済成長を促進する重要な方途である。われわれは多くの方途を通じてアジア太平洋の経済統合のプロセスを速めることを引き続き模索し、自主性と自由意思、柔軟性と実務の原則に従って、制度改革を重点にした経済体制改革を推進し、通商環境をたえず改善し、国境を越えた通商を円滑にすべきである。地域の貿易、通信、輸送網をたえず改善し、インフラ整備を強化して、地域経済統合のための物質的基礎と仕組み上の保障を与えるべきである。 第三、ますます奮闘して、国際金融体制改革を積極的に進める。現在、世界の経済情勢はいくから好転しているが、そのために国際金融体制改革の歩みが緩められてはならない。われわれは引き続き努力し、全面性、均衡性、漸進性、実効性の原則を貫いて、国際金融体制改革を公平、公正、寛容で、秩序ある方向へ前進させ、世界経済の健全な発展に資する制度環境を整えるべきである。引き続き国際金融機関における発展途上国の代表性と発言権を高め、G20首脳のピッツバーグサミットで決まった量的改革目標を早急に実行に移し、国際金融機関の意思決定の手続きと仕組みをより完全にすべきである。国際的金融監督・管理システムの改革を進め、最も基本的な監督・管理の原則と目標を整備すべきである。国際社会による金融監督・管理協力を強化し、金融監督・管理のカバー範囲を拡大し、普遍的に受け入れられる金融監督・管理基準を早急に策定すべきである。 第四、新しい道筋を考え、経済発展パターンの転換を積極的に推進する。経済発展パターンの転換は、世界経済の均衡のとれた、秩序ある発展を実現する根本的方途である。重大な経済危機はその都度、重大な科学技術の突破と産業の調整を随伴させ、経済発展パターンの転換を強力に促進することを過去の経験は示している。われわれは科学技術の革新と産業の改造を加速し、グリーン経済、循環型経済を強力に発展させ、科学技術の進歩に十分依拠して、世界経済の成長の内在的原動力を強めるべきである。経済技術協力を強化し、技術移転の人為的障壁を引き下げ、発展途上参加国と先進参加国の技術格差、特にグリーン技術の格差を縮小し、新たな「グリーン・デバイド」が生まれるのを回避すべきである。先進参加国は発展途上参加国が経済発展パターンの転換に役立つ資金と技術を獲得するのを助け、世界経済の均衡のとれた、秩序ある発展を促進すべきである。 ご列席の皆さん 国際金融危機は中国経済にもかつてない困難と挑戦(試練)をもたらした。危機が発生すると、中国はマクロ経済政策を適時に調整し、積極的財政政策と適度の金融緩和政策を果断に実施し、国際金融危機の衝撃に対処する包括的計画と政策・措置を実施かつたえず完全なものにし、内需特に消費需要の拡大を国際金融危機対応の基本的立脚点にすることを堅持した。具体的には、次のようないくつかの面がある。 第一は内需を拡大し、発展の原動力を強めること。われわれは大規模な政府投資を通じて民間投資を引っ張り、民生プロジェクト、生態系プロジェクト、技術革新などの分野に重点的に充てた。消費環境を改善し、(所得)分配関係を調整し、消費能力を増強し、新しい消費の目玉を積極的に育てた。構造的減税政策(注)を実行し、企業と個人の負担を軽減し、同時に企業に対する金融支援を増やした。これらの措置を通じて、消費、投資、輸出がつり合いをとって経済成長をけん引する新しい構造が形成された。われわれは経済発展パターンの転換と経済構造の調整を加速し、広い範囲で産業調整・振興計画を実施し、科学技術革新への取り組みを強め、国内市場特に農村市場を開拓し、汚染物質の総排出量を抑え、自然生態システムと社会経済システムの好循環を促した。 第二は改革を深化させ、経済の活力を引き出すこと。われわれは重点分野とカギとなる段階の改革度を強め、資源型産品価格、財政租税体制、金融体制、国有企業などの改革を進め、社会全体の創造活力を強めた。 第三は民生を改善し、発展の基礎を強固にすること。われわれは経済成長の刺激政策・措置を民生分野に傾斜させ、力を集中して重点民生プロジェクトを加速し、就業、医療、住宅、年金、環境など人民の身近な利益にかかわる実際の問題を重点的に解決した。とりわけ社会保障システムの整備を加速し、社会保障水準を大幅に引き上げ、投資を増やし、消費の潜在力を引き出すとともに、経済の長期的発展のための基礎を築いた。 第四は開放を拡大し、互恵・ウィンウィンの発展を求めること。われわれは互恵・ウィンウィンの開放戦略をとり、輸出の安定化に努めると同時に、加工貿易の高度化・タイプ転換を進め、貿易構造をたえず最適化した。同時に輸入の拡大に努め、先進的技術装置、基幹部品、重要なエネルギー資源と原材料を重点的に導入した。自由貿易圏戦略の実施を速め、地域経済統合を積極的に推進し、市場の拡大、分業の深化がもたらす利益を他の経済体と共有した。 これらの政策・措置は積極的な成果をあげ、中国経済の安定した比較的速い発展を維持するとともに、持続的発展のための余力を蓄積した。中国は今後、内需をさらに拡大し、国内市場を強力に開拓し、内需と外需の均衡のとれた拡大をはかる。経済発展パターンの転換をさらに推進し、産業の高度化、省エネ・排出削減を促進し、経済建設と環境保護の均衡のとれた発展を促進する。民生をさらに改善し、教育、医療、年金、住宅などの社会事業の進歩を重点的にはかり、経済建設と社会建設の均衡のとれた発展をはかる。地域発展戦略をさらに実施し、各地域の均衡のとれた発展をはかる。 中国の発展には世界が欠かせず、また世界の発展は中国を必要としている。中国が発展するほど、世界に与えるチャンスと貢献はそれだけ大きくなる。国際金融危機の衝撃に対処する中国の一連の措置は、中国経済の安定した比較的速い発展を維持するのに有益で、国際金融危機の影響を緩和し、世界経済の成長を回復させるのに有益で、他の国にもより多くの発展のチャンスを与え、アジア太平洋の商工業界により多くのビジネスチャンスを与えた。われわれはアジア太平洋の商工業関係者が中国の発展プロセスに積極的に参加し、自身の事業と中国の経済発展の互恵・ウィンウィンを実現させることを歓迎する。 ご列席のみなさん 先ごろ、中国人民は中華人民共和国成立60周年を祝った。この60年間、時に改革・ 開放後30年間、中国は世界的に注目される成果を収めた。経済力と総合国力は著しく強まり、社会の諸事業は全面的に進歩し、人民生活は衣食足りない状態から全体的小康(わりあいゆとりのある暮らしぶり)へ進み、中国社会にはかつてない活力と創造力が生まれた。同時に、われわれは中国が依然として世界最大の発展途上国であり、中国が発展のプロセスでぶつかる矛盾と問題はその規模からいっても複雑さからいってもまれにみるものであることをはっきり認識している。十数億の人口に恩恵の及ぶより高い水準の小康社会を全面的に完成させ、さらに近代化をほぼ実現し、全人民が共に豊かになるまでには、なお長い道のりを歩まなければならない。われわれは引き続き自国の国情を踏まえ、中国の特色ある社会主義の道を堅持し、改革・開放を堅持し、科学的発展を促進し、社会の調和をはかり、経済、政治、文化、社会建設と生態文明建設を全面的に進め、人民のための発展、人民に依拠した発展、その成果を人民が共有する発展を全力で実現する。 ご列席の皆さん 近年、世界経済の発展が最も速く、最も活力のある地域として、アジア太平洋地域はすでに世界経済発展の重要な推進力になり、世界の経済構造における役割と影響は日増しに強まっている。商工業界はアジア太平洋経済の発展の主力軍と国際経済・貿易発展の重要な推進勢力であり、国際金融危機の衝撃への対処、アジア太平洋の経済回復のリード、世界経済の成長の促進面で重要な役割を果たしている。ご在席の皆さんはいずれもアジア太平洋商工業界のリーダーであり、遠い見通しと優れた見識、国際協力の豊富な経験をもっておられるので、世界経済の調整の重要な時機をとらえ、危機の中に新しい発展のチャンスを求め、世界経済の全面回復と長期的発展のために積極的役割を果たすべきである。 私は、手を携えて努力し、協力を深め、アジア太平洋の大家庭づくりをたえず推進すれば、われわれは必ずアジア太平洋地域の平和が永続し、共に繁栄するすばらしい未来を築くことができると信じている。 (シンガポール11月13日発新華社) 注:「増税と減税を合わせ、税制構造を見直す」改革プランとされている。具体的には中国の経済発展の必要に基づき、租税政策を見直し、税制構造を最適化するとともに、一部の新税を導入、一部の税負担を引き下げて、経済刺激、投資と内需の拡大という目的を達する。2008年12月の中央経済工作会議で打ち出された。重点は付加価値税の生産型から消費型への転換で、そのほか不動産関連の租税優遇、個人所得税の控除基準引き上げ、輸出戻し税の拡大などがある。 |