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「南海問題は当事国間の交渉で解決すべき」
―程永華駐日大使「東京新聞」インタビューに応じる
2016/06/07

程永華駐日大使は5月19日、「東京新聞」の単独インタビューに応じ、南海問題などについて中国側の立場と主張を述べた。一問一答次の通り。

記者:最近、南海問題が日本メディアの関心の焦点となっているが、関連状況を説明していただきたい

程大使:まず南海問題の歴史的経緯を整理しようと思う。

南海問題とは1970年代以降、フィリピン、ベトナムなどの国が相次いで中国・南沙群島の一部の島礁を不法占拠したことで引き起こされた領土問題および、「国連海洋法条約」制定後に現れた排他的経済水域、大陸棚の区分など海洋境界画定の問題を指す。

唐の時代から、中国は南沙群島を発見し、命名し、管理してきた。第二次世界大戦中、日本が南沙群島を占拠した。戦後、中国は国際法に基づき南沙群島に対する主権を回復した。いわゆる断続線(九段線)は現在新たに引かれたのではなく、1948年に中国政府が対外的に正式に発表したものであり、中国はこれにより戦後の南海での主権と関連の権利を重ねて表明したのである。

1970年代以前、国際社会には南沙群島の主権の帰属について係争がなかった。1958年、ベトナムのファム・バン・ドン首相は中国の周恩来総理に宛てた外交文書の中で、南沙群島が中国に属することをはっきりと認めた。このほか、フィリピンの領土範囲を確定した「米国とスペインのパリ条約(1898年)」、「米国とスペインのワシントン条約(1900年)」「英米条約(1930年)」などの条約は、フィリピン領土の西側境界を東経118度とすることを明確に規定している。南沙群島は完全にフィリピン領域の境界の外にある。1952年に日本の岡崎勝男外相が署名・推薦した「標準世界地図集」や、1964年に日本の大平正芳外相が推薦し出版された「世界新地図集」など、日本で出版された地図も南沙群島の全てを中国領土として表示している。

中国は南海問題での被害者であり、占拠された島礁を取り戻す権利を完全に有しているが、地域の平和と安定の大局から出発し、終始一貫して高度に抑制された姿勢を保ち、当事国との交渉・協議による係争の平和的解決に尽力してきた。「係争を棚上げにし、共同で開発する」。当事国間の直接交渉による解決が中国の南海問題解決の基本政策である。1960年代以降、中国はすでに14の陸上の隣国のうち12カ国と友好的協議により国境問題を解決し、長さ約2万㌔の国境線を画定しており、これは中国の陸上国境線の約90%に相当する。中国はベトナムと交渉し、両国の北部湾での海洋境界を画定するとともに、その他の海洋境界画定問題も交渉による解決に尽力することで合意した。現在、中国はインド、ブータンとの国境問題解決の協議を積極的に進めている。昨年12月には韓国とも正式に海洋境界画定交渉をスタートさせた。

中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は1990年代以降の長期にわたる対話と協議を経て、係争を管理コントロールし南海の平和を守ることについて共通認識(コンセンサス)に達し、2002年に「南海各国行動宣言」(以下、「宣言」)を締結した。10数年来、各国は「宣言」の全面的で効果的な実施、海上実務協力の展開および「南海行動規範」(以下、「規範」)協議という三つの分野を軸に対話と協力を継続し、豊かな成果を上げてきた。全体的にみると、ごく一部の域外国があおり立て、誇張している一触即発の緊張した情勢とは異なり、中国と多数のASEAN諸国の効果的な擁護の下で、南海情勢は長期にわたり全体的な平和と安定を保っている。

最近、フィリピンが一方的に南海仲裁案を申し立てたが、これは中比間で合意した、交渉と話し合いで紛争を解決するという取り決めに違反しており、「国連海洋法条約」の乱用である。フィリピンの訴えの実質は、島礁領土主権と海域境界画定の係争であり、これは「条約」の調整範囲に入らない。海域境界画定紛争に関し、中国はすでに2006年に「条約」の規定に基づき、強制的仲裁手続き(の適用)を排除するとの政府声明を発表している。英国、フランス、ロシア、オーストラリアなど30余りの国々も同様の声明を出している。仲裁法廷にはフィリピンの提訴事項に対する管轄権がなく、中国が仲裁に参加せず、受け入れないのには法律の根拠があり、それはまさに「条約」を順守するためなのである。

記者:大使は米軍の「航行の自由」行動をどう評価するか。

程大使:近年、ごく一部の国が頻繁に南海の「航行の自由」問題をあおり立てている。実際には、南海の航行の自由が影響を受けた事件はこれまで一度も発生していない。明確にしなければならないのは、米国が「国連海洋法条約」に加盟しないのは、米軍艦が航行の制約を受けずにこの種の行動を展開するのを保証するためであるということだ。現在すでに30余りの国が、他国の軍艦が自国領海に入る際には事前申告をするよう要求している。ごく一部の国は「航行の自由」を旗印に南海問題に介入し、頻繁に大量の軍艦、航空機を南海に派遣し武力をひけらかしているが、これこそが地域の安定に対する真の脅威である。

記者:大使は先ごろ当事国間の直接の交渉で問題を解決すべきだと述べた。しかし一部のメディアは、中国が南海で軍事拠点を建設し、これが原因で当事国間に予期せぬ衝突が起こるのではないかと国際社会は懸念していると伝えた。大使はこれをどう考えるか。

程大使:2014年以降、中国は駐留する南沙の一部島礁で建設活動を展開してきた。中国が島礁建設を展開する主な目的は、島礁に滞在する人々の生活・作業環境を改善するとともに、海上捜索・救助、防災減災などの面で国際責任を履行することにある。関連施設の完成後、中国は各国に開放し、これらの公共財を提供する用意がある。他方、ベトナム、フィリピンなどの国は不法占拠した島礁で少なからぬ軍事施設を建設するとともに、拉致して船の甲板に長時間晒すなど、中国の漁民をしばしば愚弄してきた。このため、中国も必要な防御施設を配置して主権を守り、中国漁民の合法的権利を保護しなければならない。

島嶼の帰属、海域での境界画定、漁民の歴史的権益を巡る係争などはいずれも二国間の協議と交渉を通じて解決することができる。中日間の協議でまとまった漁業協定は、一部の海域について共同管理方式を採用している。中比、中越間にも実行可能な多くの方法があると私は思う。域外国は南海問題における当事国間の意志疎通と交渉を支持、促進すべきであり、南海問題に介入し、これをあおり立てることは危険行為である。

記者:中国は大国で、東アジア地域の中核であり、周辺各国から恐れられている。米国は海洋国家であり、多くの行動を展開しているが、「国連海洋法条約」は米国の弱点である。大使は米国の作戦行動が「条約」に違反していると考えるか。

程大使:そう考える。「条約」締結当時、30余りの国がいわゆる軍艦の無害通航について声明を発表し、これは条約の一部とみなされている。(米軍の行動は)自己矛盾するだけでなく、関係国に対する脅威となっており、南海情勢のさらなる複雑化を招くことにしかならない。

記者:南海問題は中日関係に影響を与えるか。

程大使:日本は南海問題の当事国でなく、南海問題は中日間の問題とすべきでない。だが不可解なのは、昨年の夏以来、南海問題における日本の態度表明がますます際立つものとなり、持続的に南海問題について異常な関心を示し、様々な場面で絶えず関連の話題を騒ぎ立て、さらにはそれを国内の関連政策の調整と制定を推し進める口実にしていることだ。われわれは日本と健全で安定した善隣友好関係を発展させたいと希望しており、これは中国の一貫した政策である。この1年余り、中日関係は改善の方向に向けて前進してきたが、その勢いはまだ比較的脆弱だ。日本側は一方で「新時代の日中関係」構築を呼びかけながら、他方では様々な場を利用して絶えず中国を非難している。こうしたやり方は中日関係改善に逆行するもので、中国側が日本の中日関係改善への誠意に疑念を抱くことにつながり、両国関係改善のプロセスにマイナスの影響をもたらすのは必至である。中日はどちらもアジア民族であり、相互の信頼が極めて重要なものとなる。現在は幾つかの問題において両国の立場に差異が存在しており、対話と意志疎通を一段と強化する必要がある。

程大使はさらに中日の人的往来、朝鮮の核問題などについて記者の質問に答えた。

「東京新聞」は5月24日の紙面に程大使のインタビュー関連内容を掲載した。

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