| 神奈川県「日中友好フォーラム」における王毅大使の講演 |
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| 2006/10/27 |
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「神奈川経済と今後の日中交流」 --神奈川県「日中友好フォーラム」における王毅大使の講演 横浜メディアセンター にて 2006年10月27日
私はお国のいろな県を訪問させて頂いたが、東京から1番近い神奈川県には、そのチャンスが巡ってきませんでした。今回、この機会を得て、まず中国国民に代わりまして、神奈川県民の皆様に心をこめたごあいさつをお送りしたいと思います。 今、中国で一番ホットな話題になっているのは、「調和のとれた社会(和諧社会)」の構築です。中国は27年間にわたる改革・開放政策で、大進歩を遂げました。たとえば、GDP(国内総生産)は世界第4位で、外貨準備高は世界1位になっております。 しかし、この急成長で多くの問題も発生しました。特に国内のみならず、海外からも指摘されている「格差」は、ますます深刻な問題になっています。 胡錦濤体制になって、人間本位、調和社会、持続可能な発展をめざした「調和のとれた社会」を作ろうというコンセンサスが、中国政府と国民の間で得られています。 私たちは中国国内の「調和のとれた社会」の構築を踏まえたうえで、世界各国と共に「調和のとれた世界」をつくろうと考えています。そのためにはまず、調和のとれたアジアの構築が必要であり、さらにその大前提となるのは、良好な中日関係構築の必要があります。 中国と日本を合わせると、人口は東アジア全人口の7割以上を占め、GDPは8割以上、貿易では6割以上を占めます。このことからも、中日関係が調和のとれたアジアの構築に大きな影響を与えるのは明らかです。 そこでまず、調和のとれた中日関係をつくろうというのが、私たちの重要な課題です。調和のとれた中日関係は、アジア諸国からも歓迎され、期待されることでしょう。 調和のとれた中日関係をつくるためには、次の4つのポイントが大切ではないかと思います。 第1は、それぞれ平和発展の道を堅持することです。日本は歴史の教訓を汲み取り、戦後一貫して平和発展の道を歩んでこられました。大きな成功をおさめ、世界から賞賛され、中国も高く評価しています。今後も世界やアジアの期待にこたえて、平和発展の道を貫いくべきではないかと思います。 中国経済の高度成長は今後も続づけていくと考えています。その根拠となるのが、3つの優位性にあります。 1つ目は、人口13億人を有する世界最大のマーケットであることです。中国の内需は長大かつ多彩です。沿海部と内陸部の需要は異なり、生産は多種であり、必要性も多彩だからです。沿海地域から波のように、内需が奥地へと広がっていくでしょう。内需の広がりは、今後の中国経済を支える大きな要素です。 2つ目は人的資源です。毎年300万人から500万人の大学卒業生が、社会に出ています。豊かで質の高い労働力が、中国にはあります。 3つ目は、国情にふさわしく、国民の支持も得て、中国特色のある社会主義の発展の道を見出したことです。 また、一方、中国の現在の一人当たりのGDPはわずか1700㌦と世界で100位以下ですが、お国の方は35000㌦以上あります。両者に大きな隔たりがあるので、中国の発展にはまだまだ長い道のりが必要です。ですから、どの国よりも中国は平和を希求しています。とりわけ、アジアの平和は必要不可欠です。国策として隣国日本と代々友好関係を継づけていく方針に変わりはありません。 第2は、異なった社会体制を乗り越えることです。互いの違いを認め、尊重し合い協力し合いましょう。そして学び合いましょう。今、中国が抱えているエネルギー、環境、格差、対外貿易摩擦、通貨の切り上げなどの諸問題は、いずれも日本が経験し、解決してきた問題です。多くの共通点を持つ日本の経験あるいは教訓が、中国に一番必要だと思っています。 1980年代改革開放最初の10年間、中国は日本の経験に注目しました。鄧小平氏の78年の訪日をきっかけに、中国は改革開放路線をスタートしてきました。日本の経済がバブル弾けた90年代においては、中国の目線は一旦、日本から遠ざかりましたが、21世紀には再び日本に注目するようになると、私は考えています。 第3は、両国国民の相互理解を深めていくことです。中日両国とも、この10年間で大きく変化しました。これを相互に認識しなければなりません。 中日両国は、安倍晋三首相の歴史的訪中で政治的障害の克服と未来志向の関係を発展させて行くことで一致をみました。難局はすでに去ったのです。あとは、お互いの国民感情をいかに修復、改善していくかです。国民同士が理解、尊敬、信頼し合って初めて磐石な中日関係ができるのではないでしょうか。 神奈川県と遼寧省、横浜市と上海市などは友好都市関係を一層深めていきましょう。神奈川県に住んでいる外国人の中には、中国人は一番多く、4分の1以上占めています、留学生は約3分の2を占めています。素晴らしいことです。感謝いたします。 観光は国民感情の修復、改善に有効です。昨年、海外に出た中国人は3200万人で、そのうち、日本を訪れた中国人はたった2%の65万人しかいませんでした。中国に1番近い先進国であり、豊かな環境、文化的にも関係が深い日本ですから、少なくても年間一割に当たる320万人が訪日しても不思議ではないでしょうか。 320万人が日本を訪れるようになると、日本の「観光立国」が一挙に実現できます。そのためにも、中国人観光客へのビザ発給緩和など、もう少し改善していただきたいと思います。 神奈川県には箱根があり、富士山も眺望できます。箱根は中国でも非常に有名です。また、横浜中華街は世界一綺麗で規模が大きく、伝統が守られています。このように神奈川は、日本を代表する観光資源豊かな県です。さらに日中間の観光を拡大していく事を期待します。 第4は、互恵協力を深めていくことです。中国と日本とは「戦略的な互恵関係」を構築することをめざしていきます。今年の中日間の貿易額は、2000億㌦を確実に超えます。昨年に続き、中国は日本の最大の貿易パートナーになります。 2000億㌦を超えるとなると、両国間に新しい発想が必要になってきます。今回の安倍首相の訪中により、両国の指導者間で今後の方向性が示されました。これを契機に、省エネ、環境保護、情報通信、エネルギーなどの面での協力を推進する事となっています。 さらに、中小企業間の協力も進めましょう。今までの日中間の経済関係は大企業中心、製造業中心でした。しかし、これからは中小企業の出番になると思います。省エネ、環境保護の取り組みは、地方自治体のほうが強みを持っているのではないか、と思っているからです。 日本の各自治体は長年、省エネと環境保護、そして社会、地域の発展のために多くの経験を積んできました。それこそがまさに、今の中国が必要とするものです。私が地方に行くと、いつも口にする言葉は、「日中関係は地方交流の時代」というものです。中小企業の出番となる時代は必ず来ます。 神奈川は実力のある県ですから、必ずや中日関係に潜在能力を発揮し、大いなる進歩と実績をつくっていけると思います。神奈川県と中国との間に、調和のとれた中日関係を構築するために、あらたな貢献をされることを心から祈念いたします。 ◇質疑応答 質問 2008年に開催される北京五輪の準備状況と、何を日本に期待するかをお聞かせください。 王毅大使 準備は順調に進んでいます。現在、北京市内だけで工事現場は1万ヵ所以上あります。工事のため大気がやや汚れましたが、来年は北京の空気は改善され、再来年はもっときれいになるそうです。ぜひそうなるよう期待しています。 アジア諸国、とりわけ中・日・韓が協力し合って北京五輪を成功させれば、アジアのオリンピックとして五輪史上に残るでしょう。県民の皆様に、ぜひご支援とご協力のことをお願い致します。
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