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孔鉉佑中国大使,日本国際貿易促進協会のインタビューを受ける
2020/12/25

 12月3日、孔鉉佑駐日中国大使は日本国際貿易促進協会紙「国際貿易」のインタビューを受け、中国共産党第19期中央委員会第5回総会(19期5中総)の精神を紹介し、中日関係、中米関係について解説、日本の経済界が引き続き対中協力を強化するよう激励した。一問一答次の通り。

 問:最近、中国共産党19期5中総が開かれた。会議では新たな発展の枠組み構築を提起し、複数の強国目標を明確にした。中国の新たな発展の枠組みをどう読み解かれるか、今後中国は世界とどう協力していくだろうか。

 答:19期5中総が開かれ、第14次5カ年計画〈「14・5」計画2021―25年〉と2035年長期目標が打ち出され、日本各界の幅広い関心を集めている。5中総は新型コロナウイルス感染症のパンデミックという背景下に開催された。目下、グローバル経済は深刻な不況に陥り、世界は激動・変革の中にあり、各国の感染対策、経済安定、民生保障は任重くして道遠しの状態だ。中国は国内の大循環を主体に、国内・国際のダブル循環が相互に促進する新しい発展の枠組み構築を打ち出したが、これは決して閉ざされた国内循環ではなく、国内市場と国際市場のよりよい結びつき、より高い水準の開放型経済の新体制づくりに狙いがあり、日本を含む世界各国は中国と新たなチャンスを共有できる。今後しばらく、中国は以下のような面を重点に世界との協力を深めていく。

 一、連帯協力して感染症に立ち向かう。感染症の効果的制御は経済回復の前提条件だ。各国にとって、当面最も重要なのは感染対策の協力強化である。中国は引き続き世界保健機関(WHO)の決定的な指導的役割を積極的に支持し、世界の共同予防・制御を強化し、自ら進んで経験を共有し、ワクチンの国際協力に積極的に参加していく。

 二、開かれた発展を堅持する。改革開放は中国の基本国策だ。過去40余年の歴史は、改革開放が現代中国の運命を決定する重大な措置であることを証明している。今後、中国は改革開放を少しも揺るがず堅持し、揺るぎなく開放型の世界経済を築き、多国間貿易体制を守り、各国と提携して産業チェーンとサプライチェーンの安全と円滑さを保障し、貿易障壁を引き下げ、各国の早急な経済回復に助力していく。

 三、革新的成長を堅持する。中国は各国と共に、感染症の中で生まれた新業態、新モデルをうまく生かし、デジタルインフラの投資と建設を増やし、科学技術革新の協力を強化し、より質が高く、より強靱性のある発展を共に実現していく。

 四、地域の経済統合推進を堅持する。中国はRCEPの早期発効を後押しし、CPTPP加盟を積極的に考慮し、地域内の商品、技術、サービス、ヒト、資本移動を促進し、域内の統一的な経済・貿易ルール体系を作り上げる。

 問:先ほど、新たな発展の枠組みを紹介した際、閉ざされた国内循環ではなく、一層開かれた国内・国際のダブル循環だと強調された。一方、新たな発展の枠組みの一大特色は国内の大循環を主体にすることだ。これは今後中国経済の主要な原動力が内需に変わることを意味しているのか。

 答:その通りだ。過去、中国経済は主に投資と輸出によって牽引された。経済の発展に伴い、その規模はたえず拡大しており、今年の国内総生産(GDP)は15兆㌦に達する見込みだ。国内の消費能力が上昇を続け、経済構造がたえず調整され、経済成長に対する内需の寄与率が高まり続けている。国内循環を主体にした新たな発展の枠組み構築は、経済発展の客観的法則に基づく科学的判断である。今後、中国は内需拡大を堅持し、経済発展に対する消費の基礎的作用をうまく発揮させる。

 問:さきほどRCEPに言及された。中日韓の自由貿易協定は初めてだが、これは3カ国にとってどんな重要な意義があるだろうか。

 答:RCEPの正式署名は地域経済の統合にとって非常に重要な意義がある。日本経済の発展でも、中国の改革開放における歴史的成果でも、多国間主義と自由貿易体制の堅持が欠かせなかった。経済のグローバル化という時代背景の下で、一国主義、保護主義に活路はなく、連帯・協力してこそ共に発展することができる。これは人間の意思では変えられない歴史の流れだ。地域経済の統合は中日韓3カ国の共通の目標である。この目標の下で、われわれはRCEPの署名に成功し、地域経済統合への第一歩を踏み出した。3カ国はRCEPを基礎に、中日韓自由貿易圏(FTA)の協議・署名を急ぎ、より高い水準の経済・貿易ルールの合意に努めるべきだ。中国はまた、CPTPP加盟を積極的に考慮し、アジア太平洋自由貿易圏の構築という最終目標の実現に努める。

 問:中米関係は世界の注目を集めている。11月の米大統領選の結果が出て、バイデンがトランプに代わってホワイトハウス入りする。トランプ政権は一国主義と米国ファーストを推し進め、国際秩序を乱し、中国にたえず圧力を加えた。バイデンはトランプと違って、国際協力を一層重視している。バイデンが就任すれば、対中政策が見直されるというのが大方の見方だ。今後の中米関係の行方をどう見ておられるか。

 答:習近平主席は先ごろ、バイデン氏の大統領当選に祝電を送り、中米関係の健全で安定した発展は両国人民の根本的利益に適うだけでなく、国際社会の共通の期待でもあると指摘した。双方が非衝突・非対決〈衝突せず・対決しない〉、相互尊重、協力ウィンウィンの精神にのっとり、協力に焦点を当て、意見の相違を管理〈コントロール〉し、中米関係の健全で安定した発展を図り、各国および国際社会と手を携えて世界の平和と発展の崇高な事業を推し進めるよう希望する。

 中米関係は世界で最も影響力のある、最も注目される二国間関係の一つだ。中米国交樹立から40年余り、最も幅広い交流・協力と最も大きい共通利益がとうに形成されている。中米には意見の相違があるが、それ以上により幅広い協力の余地がある。

 中国の対米関係の基本的立場は終始一貫している。人類社会はいまポストコロナ時代の発展の道を探っているところだ。われわれは米国の新政権がわれわれと共に、次の点を認識するよう期待している。即ちこの世界は多様多彩で、いかなる国にも自身の歴史、文化、国情に基づいて自らに合った発展の道を選ぶ権利がある。誰も相手を変える必要はなくそれは不可能であり、相手の人民の自主的選択を尊重すべきだ。世界の大国である中米は、意見の相違を建設的方法でうまく管理し、両国と国際社会の利益となる協力を繰り広げ、「ポストコロナ時代」の世界の力強い、持続可能な、均衡のとれた、包摂的成長を後押しするため共に貢献すべきである。

 米国の大統領選を受けて、来年1月20日、バイデン氏が正式に大統領に就任する。それまで、米国の政策の行方を予測するのは難しい。しかし、民主党のリーダーであるバイデン氏の政策がトランプ氏とはいくらか違うだろうことははっきり言える。バイデン政権に中米間の意見の相違を対話で解決する用意があるなら、中国も誠意をもって応じる用意がある。今後の中米関係がどうなるかはバイデン政権の選択にかかっている。

 日本は米国の盟友であり、われわれは日米の正常な協力関係の発展を尊重する。しかし日本にとって、対米関係がすべてではなく、日米関係のために正常な対中協力に影響するのは、日本の利益にもならない。日本が中米間でうまくバランスをとり、一層積極的建設的な役割は果たすよう希望し、またそうなると信じる。

 問:経済・貿易関係は日中関係の重要な一部分だ。日本企業は対中協力を重視し、中国の大市場に強く期待している。一方で、目下日本の中国投資の伸びは鈍化し、構造はたえず調整されている。新たな情勢下で、日中の経済・貿易関係の発展をどう見て、日本企業に何を期待しておられるか。

 答:新型コロナウイルス感染症が発生すると、中日の経済界は誠実に協力し、互いに支援し、在中国日系企業の順調な業務・生産再開を後押しした。産業チェーン・サプライチェーンは急速に修復され、世界の大企業500社に入る日本企業は引き続き中国での戦略投資を拡大している。中日貿易は持ち直し、ビジネスマンが往来する「ビジネストラック」は11月30日順調に開かれた。第1―3四半期の中国経済は前年同期比0・7%の成長で、日本の対中輸出の4カ月連続の伸びを牽引し、日本経済が第3四半期にプラス成長に戻る重要な原動力となった。これらのことは、両国の互恵・ウィンウィンの協力基調が変わっておらず、経済・貿易のきずなの大きな強靱性が変わっていないことをよく示している。

 日本の新内閣発足後、習近平主席と菅義偉首相が電話会談を行い、中日関係の改善・発展を持続させることで重要な共通認識を得、次の段階の中日関係の方向を明確にした。先月末、中国の王毅・国務委員兼外相が日本を訪問し、菅義偉首相、茂木敏充外相ら新内閣の主要閣僚と突っ込んで意思疎通を図り、多くの重要な共通認識と具体的成果を得た。両国の経済界は共同でこれを積極的に実行に移し、互恵協力を拡大し、手を携えて新しい時代にふさわしい経済・貿易関係を築き、共に中日国交正常化50周年を迎えるために成果を積み上げていくべきだ。私は日本の経済界に三つの点を期待している。

 第一は引き続き対中協力に強い自信を持つこと。中国共産党の19期5中総は「14・5」計画と2035年長期目標の策定に関する提案を審議・採択し、国内の大循環を主体に、国内・国際のダブル循環が相互に促進する新しい発展の枠組みを積極的に築くことを打ち出した。中国の国民一人当たりGDPはすでに1万㌦を突破し、4億を超える中間所得層がいる。予測では、来年中国は米国を追い越して世界最大の消費市場になるという。中国は対外開放を揺るがず堅持するだろう。日本の経済界が機会を逃さず、中国との経済・貿易分野の協力を一段と拡大するよう希望する。

 第二は協力分野を一段と広げること。引き続き感染対策の協力を繰り広げ、経済・貿易投資、サービス貿易、省エネ・環境保護、電子商取引、医療・健康、デジタル経済などの分野の互恵協力を拡大する。第三国市場、科学技術革新などの協力メカニズムに積極的に参加し、より多くの成果を作り上げることをめざす。RCEP署名の重要な機を逃さず、地域内の各種経済要素の高度の統合を図り、国際的産業チェーン・サプライチェーンの安定を守る。

 第三は中国企業との互恵協力関係を深めること。経済グローバル化の時代に、世界市場を無理に分割し、なにかというとすぐに「供給を止める」と脅しては、グローバルな産業チェーン・サプライチェーンを断ち切り、自身がより大きな市場を得、先進技術に触れる機会を絶つだけである。日本経済界が市場の法則を尊重し、自身の利益を考えて、引き続き中国企業との互恵協力を進め、ウィンウィンの発展を実現するよう希望する。

 問:日中間にはすでに持ちつ持たれつ、相互依存、互恵・ウィンウィンの経済・貿易関係が形成されている。二国間の経済・貿易のきずなが強まり続けるなかで、両国の国民感情は悪化する傾向がみられる。11月の両国の共同調査によると、日本で中国に好感を抱かない市民の割合は89・7%に増え、日中関係を非常に重要とする割合も初めて70%を割った。なぜこのような現象が起きるとお考えか。

 答:中日両国は地理的に近く、利害が深く絡み合い、両国の民間交流は盛んだ。両国間の年間の人の往来は延べ1000万人を突破し、貿易取引は3000億㌦を超え、在中国日系企業は3万社を超えている。このように密接な交流は、世界的にも非常に珍しい。それはEU成立前のフランスとドイツの間の交流を連想させる。1950年代、第二次大戦が欧州にもたらした傷をどう癒し、地域の統合を進めるかが欧州大陸で解決の待たれる問題となった。欧州の政治家たちは、国民感情を改善するには、国民の大交流を進めなければならないと考えた。この提案はまず独仏両国間で実現され、徐々に西欧に広がり、欧州統合のプロセスを強力に推し進めることになった。この間の歴史は極めて示唆に富んでいる。中日両国はそもそも別の国で、両国関係には複雑な歴史もあれば、現実の利害もあり、同時にまた国際社会のさまざまな影響も受けている。中日関係の健全で安定した発展の実現には、両国の民間友好が欠かせない。そこで、われわれはずっと両国の国民感情の改善に力を尽くしてきた。例えば、感染症が発生すると、両国の市民が感染症との闘いをめぐって互いに行動を起こし、「山川異域、風月同天(山河は異なろうとも風や月は同じ天の下にある)」という友好の一ページを共に記した。大使館は日本各界の訪中団派遣を後押しし、日本側と「チャイナフェスティバル」などのイベントを共同開催した。これにより日本の一般市民に真実の中国を知り中国の市民と対面交流する機会と場を提供できるよう希望し、一定の成果も収めた。近年、中国市民の対日好感度が改善されているのは一つのよい例だ。

 日本国内の対中好感度が依然低いままであるのは、残念なことだ。この現象をもたらした原因はいろいろある。一つ目は、中国の発展は急速で今昔の感があるが、まったく新しい中国を受け入れどう扱うか、日本にまだ準備ができていないこと。二つ目は国際社会からの影響。情報化時代に、他の国の対中認識が日本国民の中国を見る目に影響することは避けられない。三つ目は中日両国自体にある。中日の二国間関係にはいくつかの敏感な要因が存在し、意見の相違を適切に管理できるかどうかは、両国民間の感情の良否に関わってくる。同時に、中日には体制、進む道、価値観など多方面で客観的な違いがあり、その結果、同じ問題の処理において両国がしばしば違うやり方をとることになり、日本国民は感情的にそれを受け入れるのが難しい。全般的に見て、これは非常に複雑な社会問題であり、概には論じられない。

 問:日本のメディアもその中で一定のネガティブな役割を果たしていないだろうか。

 答:そうした原因も確かにある。われわれの観点からすれば、日本メディアの中国報道には客観性と公正さに欠けるところがあり、国民をミスリードしている。

 問:新年を迎えるが、本協会の会員企業に何を伝えたいとお考えか。

 答:2020年はまもなく終わる。この1年は中日両国、世界、企業にとって極めて尋常でない、大きな試練の年だった。「国際貿易」の紙面を借り、中国大使館を代表しまた私個人の名で、貴協会の会員企業に謹んで新年のあいさつを送り、皆さんが希望に満ちた2021年を迎えられるよう祈るとともに、河野会長および各会員企業が長期にわたり中日経済・貿易協力および中日関係の発展に関心と支持を寄せてこられたことに心からの敬意と感謝を表したい。

 中日両国および二国間関係とって2021年の意義は並々ならぬものだ。2021年に日本は東京オリンピックを開催し、22年には北京が冬季オリンピックを開催する。同時に2022年は中日国交正常化50周年だ。まもなく訪れる新しい年に、われわれはこれらの重要な議事日程を実行に移し、二国間関係を一段と深め、両国の民間交流を発展させる。両国の市民が包摂と善意の目で相手の発展を認識、理解し、双方の違いを客観的にとらえ、本当に相互尊重を実現できるようにする。そして中日が共にアジアの国と東洋文化に属するという共通の価値認識を一段と掘り起こし、両国市民の共感を強めていく。同時に、双方が経済・貿易協力を深め、二国間関係の健全な発展を固めるのを支持していく。国際貿易促進協会はじめ日本の経済界が引き続きこれを支援されるよう希望する。

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