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程永華大使,大阪で「一帯一路」について講演
2017/07/11
 

    6月29日、程永華駐日大使はりそなアジア・オセアニア財団、大阪府、大阪市、関西経済連合会、大阪産業振興機構、大阪商工会議所が共催する中日経済・貿易関係促進セミナーに出席するとともに、「一帯一路」建設について基調講演を行った。関西の自治体、有名企業、業界協会、研究機関の主要な責任者300人余りがこれに出席した。講演の全文次の通り。

    関西経済界の皆様と交流できることを大変嬉しく思います。まず、りそなアジア・オセアニア財団のお招きとお手配に感謝申し上げます。今年大阪を訪れるのは、2月の西日本地区中日友好交流大会に続いて2回目ですが、訪問のたびに、関西各界の中日友好と両国の経済・貿易協力への熱意を感じております。本日のセミナーは中日経済・貿易関係の発展がテーマですが、「一帯一路」建設が中日協力にもたらす新たな重要なチャンスが両国の経済・貿易分野の最も熱い話題であることは疑いのないところです。この機会を借りて「一帯一路」の状況を紹介するとともに、この話題に合わせて中日経済・貿易協力の見通しについてお話しようと思います。

    「一帯一路」構想の提起から3年余り、日本の各界はこれに注目しましたが、多くはやはり学術界や物流、貿易業界の研究レベルに限られており、たまに新聞で取り上げられても「中国主導」のレッテルが貼られます。先月中旬、習近平主席は日本代表団を率いて「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに出席した自民党幹事長の二階俊博氏と会見し、「一帯一路」構想は中日両国の互恵協力、共同の発展の新しいプラットホームと「試験田」になりうると表明、日本が中国と「一帯一路」枠組みでの協力について検討することに歓迎の意を表しました。今月5日安倍晋三首相は国際交流会議「アジアの未来」晩餐会で講演し、「一帯一路」建設に協力していきたいと初めて公に表明しました。こうして、中日双方の積極的なインタラクションにより、「一帯一路」が真の意味で日本国民の視野に入るようになりました。

    「一帯一路」とはなにか。安倍首相は「アジアの未来」晩餐会での講演で、「今年はユーラシア大陸の地図に、画期的変化が起きました。本年初めて、中国の義烏と英仏海峡を越えて英国とが貨物列車でつながりました」と述べました。この文学的な表現は聴衆に注目されました。実際にはこれは中国の28都市と欧州の29都市を11~14日ほどでつなぐ51本の中国欧州列車ルートの1本にすぎません。さらに中国欧州列車は、充実を続ける「一帯一路」枠組みの中の一部分にすぎません。「一帯一路」の最も直接的な機能はもとよりアジア・欧州・アフリカ大陸及び付近の海洋の相互接続、即ち連結性ですが、その中身はこれに止まりません。相互接続の牽引下で、「一帯一路」はさらに、沿線各国の経済政策協調、より大きい範囲より高い水準より深い次元の地域協力、沿線各国人民の人文交流と文明の相互参考などの機能を発揮するでしょう。そして一国主義、保護貿易主義の台頭という現在の時代的背景下で、開放型の世界経済を守り、世界の平和・安定を守るための重要な国際的公共財を提供できるでしょう。

    なぜ「一帯一路」にはこのように大きなビジョンがあるのか。歴史的にみると、シルクロードは古代においてアジア、アフリカ、欧州を結ぶ通商交易ルートで、中国で生産される絹や磁器などを運ぶことで知られ、その後東洋と西洋の間の経済、政治、文化など諸々の分野における交流の主要なルートへと発展しました。古代シルクロードで形成された平等互恵、協力・ウィンウィンの精神は今日の「一帯一路」の強力なきずなになることができます。

    現実に、今日のシルクロード経済ベルトには3大ルートがあります。第一は中国西北、東北から中央アジア、ロシアを経て欧州、バルト海に至るもの。第二は中国西北から中央アジア、西アジアを経てペルシャ湾、地中海に至るもの。第三は中国西南からインドシナ半島を経てインド洋に至るものです。21世紀海上シルクロードには2大ルートがあります。第一は中国の沿海港から南海を通り、マラッカ海峡を経てインド洋に至り、さらに欧州へ延びるもの。第二は中国の沿海港から南海を通り、南太平洋に延びるものです。この5大ルートはさまざまの経済回廊と海上通商路をもち、アジアの東部と南部という世界で最も人口の密集した地域を通り、活力あふれる東アジア経済圏と進んだ欧州経済圏を一つに結んでおり、沿線の総人口は約44億、経済総量は約21兆ドルに上ります。従って、沿線各国の開発戦略の効果的なドッキングをはかり、域内市場の潜在力を掘り起こし、各国国民の福祉を増進する新たな開発のチャンスを提供することが期待されます。

    中国はなぜ「一帯一路」建設を提唱するのか。私は次のことに留意しています。つまりこれまで日本の一部メディアとシンクタンクはマイナスの論評が多く、中国の「一帯一路」構想の提起は米オバマ政権の「アジア太平洋リバランス」戦略推進の時期にあたると指摘、それを根拠に中国自身の利益を広げ、地政学的考えを巡らすものと解釈しました。また「一帯一路」を一時TPPと単純に比較し、「中国主導」のレッテルを貼り、TPPに対抗するものだと言う人もいます。こうした観点は冷戦思考の延長で、先入観に基づく偏見だと私は考えます。「一帯一路」はもとより中国が提唱しましたが、決して中国一国の「独奏曲」ではなく、各国が共に参加する「交響楽」で、各国が共に受益する重要な国際的公共財です。「一帯一路」に対する米国の態度はこのことをよく説明しています。先月、米国政府は「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに代表を送りました。先週第1回中米外交安全保障対話がワシントンで開かれ、トランプ米大統領がホワイトハウスで対話に出席した中国の楊潔チ(竹かんむり+褫のつくり)国務委員と会見し、「一帯一路」の関係プロジェクトで中国と協力したいと表明しました。

    「一帯一路」の共同建設にはどんな利益があるのか。2015年3月中国政府は「一帯一路」建設の企画文書を発表し、時代的背景、共同建設の原則、枠組み・道筋、協力の仕組みなどの面から、「一帯一路」の主張と中身についてはっきり説明しました。この文書の中で、「一帯一路」建設では国連憲章の目的と原則を守り、開かれた協力を貫き、調和・包摂、市場原理と互恵・ウィンウィンを貫くと明確に宣言しました。それは共に協議し、共に建設し、共に享受するという三つの言葉にまとめられます。「一帯一路」沿線には巨大な新興市場が含まれており、これらの市場の需要を掘り起こせば、経済成長を効果的に牽引することができます。「一帯一路」沿線の新興市場の開発にあたっては、大量のインフラ建設が必要で、基盤整備は経済成長を引っ張り、経済成長はさらに新たな需要を刺激することになります。例えば、ADBは2016年から30年までのアジアの基盤整備資金需要が年平均1・7兆ドルに達すると見積もっています。全体的にみると、「一帯一路」の波及地域内の人口と経済規模から言って、その中には巨大なビジネスチャンスが秘められています。

    先月北京で開かれた第1回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムは共に協議し、共に建設し、共に享受する原則を集中的に現したものでした。外国の元首や政府首脳、国連事務総長など国際機構の責任者29人を含め、130余りの国と70余りの国際機構の代表約1500人がこのサミットフォーラムに出席しました。フォーラムは各国が「一帯一路」の枠組みで国際協力を強化し、お互いの開発戦略をドッキングさせるための重要なプラットホームを築きました。一連の協力文書を通じて、現在「一帯一路」戦略とロシアの提起するユーラシア経済連合、ASEANの提起する相互接続基本計画、カザフスタンの提起する「光明の道」、トルコの提起する「中間回廊」、モンゴルの提起する「開発の道」、ベトナムの提起する「2回廊1経済圏」、英国の提起する「北部パワーハウス」、ポーランドの提起する「琥珀の道」などの開発戦略とのドッキングが実現し、各国の強みの相互補完が実現しており、発展のチャンスも分かち合えます。中国はさらに、2019年に第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムを開催することを発表しました。

    日本の皆さんはシルクロードに特別な親近感を抱いており、それは有名な作家井上靖の小説や有名な画家平山郁夫、東山魁夷の作品に現れています。国際学術界では、奈良をシルクロードの東の終点と考える人も少なくありません。国連教育科学文化機関(UNESCO)の公式ウェブサイトには、特にシルクロードを紹介する部分があり、その中で奈良を古代シルクロードの沿線都市として描いています。そして、奈良は大阪を通じて海のシルクロードとつながり、歴史の中で次第に中日韓3国の文化が合流する文化の紐帯および仏教と道教が発展した宗教の中心になった。現在奈良の正倉院に収蔵されている文化財は古代に日本が海のシルクロードに参加した歴史の証であると指摘しています。国際社会が現代版シルクロードを建設している今日、日本は歴史上のシルクロードの参加者として、どんな役柄を演じどんな役割を果たすのか、日本の各界が真剣に考えるのに値する問題だと思われます。同時に、二階幹事長が「オール日本」代表団を率いて「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに出席し、安倍首相が「一帯一路」建設の協力を公に表明した中で、中国も日本がどのようなフォローアップ措置をとるか大いに注目しています。日本各界は以下の四つの面から、「一帯一路」建設参加への道筋を検討することができる、と私は考えます。

    第一は理念を認めること。これまで日本は中国が提起した国際的地域的な協力構想に対し多かれ少なかれ敬遠、さらには警戒、反発の態度をとってきました。直接の原因は近年、両国関係が曲折を繰り返し、一時国交正常化後最悪にさえなったことですが、その根源にはやはり中国の発展と中国のイニシャチブに対する認識の問題があります。一部の人は中国の発展を正しく見ることができず、一時「対中包囲網」の議論が盛んでした。中国が「一帯一路」、アジアインフラ投資銀行(AIIB)などの構想を打ち出したそもそもの動機は、自国の利益を追求する時に他国の利益を合わせて考え、自国の発展を追求する時に共同の発展を促すことです。相手が負け自分が勝つという冷戦思考によって見るべきではありません。一部の人が言うように、中国が本当にこれによって地域の覇権を求めるのなら、はるか地球の裏側の国を「一帯一路」建設に参加するよう招く必要はまったくありません。AIIBを例にとると、これまで日本の一部メディアは、中国のAIIB、日本のアジア開発銀行(ADB)と単純化してきましたが、実際には二つの多国間開発銀行は共に国際的な規範に従って設立されており、決して特定の国の物ではありません。AIIBの加盟国はすでに80に達し、年内に85に達する見通しです。中国はADBの日本、米国に次ぐ第3の出資国でもあります。私は日本の各界が中国が提起した「一帯一路」などの構想を一層理性的に扱い、さらに真剣に研究して、共に地域の発展・繁栄をはかる事業のなかで、日本自身の利益にも適いまた協力もできる部分を見いだすよう希望しています。関西は日本経済の要であるとともに、歴史上、「一帯一路」との縁も深く、こうした特殊な歴史的つながりをどう生かすかもみなの考慮に値する問題です。

    第二は政策のドッキング。アジア特に東アジア各国は経済の補完性が強く、協力の潜在力が大きく、長期の互恵協力のなかで互いの連携度、依存度がたえず深まっています。世界経済が全体的に低迷する中でも全体として安定成長を保ち、引き続き世界の繁栄・発展のエンジンの役割を果たしています。中日両国は共にアジアの国であり、地域協力を発展させ、地域の相互接続を強めることは双方の共通利益に適います。これまで日本政府は地域協力・開発の面で、政府が主導し、ODAが先行し、民間が後に続くという方法を作り上げており、安倍首相による「一帯一路」支持の明確な表明を踏まえて、私は日本政府が自国の発展を実現し中日協力を深める見地から、双方の「一帯一路」の枠組み内での協力の方法と道筋を積極的に検討し、民間の各界特に経済界に対して牽引とリードの役割を果たすことを強く期待しています。

    第三は金融支援。「一帯一路」は世界の一大市場を築くでしょうし、中国の巨大な国内市場も、「一帯一路」建設に加わる各国に経済・貿易協力の幅広いチャンスを提供しています。市場開拓には資金面の支えが必要で、沿線の貿易と投資の伸びにはより整備されたな金融サービスが必要です。インフラ整備分野を例にとれば、アジアのインフラ建設需要は急速に増大しつつあり、2016年から30年までのアジアの基盤整備資金需要が年平均1・7兆ドルに達するのに対して、現在AIIBに世銀、ADBの融資能力を加えても、巨大な資金不足が生じます。中国政府は開発・政策金融機関による「一帯一路」金融協力への積極的な参加を奨励しています。同時に私は、りそなに代表される日本の商業銀行は第一に日本の政策金融機関を通じて、第二に中国の商業銀行との同業協力を通じて「一帯一路」参画の可能性を検討することができると考えます。

    第四はプロジェクト協力。これまで日本企業の対中投資は東南沿海地区に集中していましたが、「一帯一路」建設が進むにつれて、中国の西部地区、東北地区は新たな開放構造をとり、新たな発展を迎えるでしょう。特にインフラ建設、産業転換・高度化と消費需要の高度化という複数の要因によって、これらの地域の内需は伸び続け、労働力コスト、資源などの面の強みがたえず現れるようになるでしょう。その潜在力は極めて大きく、新たなチャンスを探すことができます。一方、近年中国企業の対日投資の伸びは大きく、累計金額はまだ大きいとは言えませんが、注目度は上昇を続け、幾つかの成功例もあり、中国と日本の双方向投資の構造が次第に形成されています。これは両国が実務協力の分野を広げ、第三国協力を進めるより多くの新しい可能性を提供しています。中国は関係先進諸国と共に、技術、資金、生産能力、市場などの相互補完の強みを生かし、共に協議、共に建設、共に享受する原則に従い、市場の法則を守って、「一帯一路」沿線諸国で第三国協力を進める用意があると明確に宣言しました。中日両国は経済の体力とその補完性からみて、連携して第三国市場を開拓する面でより強みをもっており、日本の各業界の企業が積極的に行動を起こし、中国企業との「一帯一路」建設における協力を模索し、両国の実務協力のためのより多くの新たな成長ポイントを見つけ、互恵・ウィンウィンを実現するよう希望します。

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