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李長春氏 日本の主要メディア責任者との会見における談話

交流を強化し、共通認識を凝集し、中日関係の健全かつ安定した発展のために良好な環境を作ろう

   訪日にあたって、日本の各主要メディアの責任者とお目にかかり、意見交換をし、相互理解を深める機会をもつことができ、大変嬉しく思います。長年来、日本の各主要メディアは中日国交正常化の実現、両国民の相互理解の増進、両国民の友情の深化、並びに各分野における互恵協力の推進において、重要な貢献をしてこられました。ここに、中国共産党及び中国政府を代表し、御在席の皆様並びに各主要メディアのご尽力に対し、心より感謝申しあげます。

   この度の訪日の主な目的は、両国の指導者の間で合意された重要な共通認識をさらに確実なものにし、中日の戦略的互恵関係の発展を加速させることにあります。ここ二年来、両国指導者の共同の努力の下で、中日双方は両国関係の健全かつ安定した発展に一時影響を及ぼす政治的障害を成功裏に取り除き、中日関係を健全な発展の軌道に戻しました。ハイレベル交流は日増しに頻繁になり、政治的相互信頼は絶えず深まり、経済貿易協力は持続的に拡大し、人文交流は絶えず切り開かれ、両国関係は良好な発展の勢いを呈しています。とりわけ、去年胡錦濤国家主席は成功裏に訪日を果たし、双方は戦略的互恵関係の発展について、幅広い共通認識に達し、中日関係は新たな歴史的スタートラインに立つことになり、よりいっそうの発展を遂げる重要なチャンスを迎えています。中日関係発展の良好な態勢は得がたいものであり、双方はともにそれを大切にし、チャンスをしっかりと掴み、中日の戦略的互恵協力を絶えず深めていくべきであります。このための四つの提案を示して、皆さんとともに努力をして参りたいと思っています。

    一、よりいっそう共通認識を凝集し、「平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展」こそが両国にとって唯一正しい戦略的選択肢であることを明確に示すこと

    中日両国は一衣帯水の近隣であり、中日友好は長い歴史を有しています。二千余年にわたる友好交流の中で両国民は学びあい、お互いに経験を参考し合い、融合させることによって、それぞれ自国の発展と進歩を促進してきたのみならず、燦(さん)然(ぜん)たる東アジア文明を創出し、世界文明を豊かにする上で、また大きな貢献をしてきました。もちろん、近代に入ってからは、両国の間に、痛ましく不幸な歴史もありました。今日、歴史を振り返り、正反両面の教訓を総括してみれば、中日両国の交流史、とりわけ国交正常化以来の歴史に裏付けられている通り、中日両国は、「和すれば双方に利をもたらし、戦えば共に傷つく」仲であり、互恵協力を推進し、世々代々にわたる友好を促進することは、両国及び両国民の共通の利益に合致し、歴史の流れと時代の要請にも合致するものであり、アジア並びに国際社会の切なる願いでもあります。中国には、「遠くの親戚より近くの他人」という諺があります。双方にとっては、隣人は選べないが、隣人との付き合い方は自分で決めることができます。中日両国はいずれも儒教文化を貴び、「和を貴しとする」ことこそが、儒教文化の重要な思想であります。中日双方は戦略的大所高所にたち、長期的ビジョンをもって、両国関係を認識し、それを発展させ、よりいっそう共通認識を凝集して、両国の政治家、社会各界、メディア並びに広範な国民が「平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展」こそ両国にとって唯一正しい戦略的選択肢であることを認めるよう導いていかなければなりません。そのために、中国は「善意をもって、隣国と付き合い、隣国を仲間とする」周辺外交方針と、「隣国と睦まじく付き合い、隣国と安定を保ち、隣国と共に豊かになる」周辺外交政策を遂行し、日本をはじめとする周辺諸国と友好関係を積極的に発展させていく所存であります。

    二、「中日共同声明」など四つの政治文書の原則と精神を共に厳守し、両国関係の政治的基盤をしっかり擁護すること

    去年、胡錦濤国家主席は成功裏に訪日し、日本側と「戦略的互恵関係の包括的推進に関する中日共同声明」に調印し、両国関係の未来の発展を展望し、中日の戦略的互恵関係を全面的に発展させる新しい時代を切り開きました。これにより、両国の間には、四つの政治文書が確立することになりました。こうした四つの政治文書は両国の歴代指導者の重要な共通認識を凝集させ、政治、法律、実践のレベルで両国関係の歴史を総括し、その未来を展望したものであります。また中日双方の政治的知恵の結晶と両国共通の貴重な政治的財産であり、中日関係を指導する基本原則であるとともに、両国民の根本利益の所在であるがゆえに、それは中日関係の政治的基盤となっています。いかなる時期、いかなる状況の下でも、それを大切にし、ともに厳守していかなければなりません。双方がこれらの四つの政治文書に定められた原則を遵守し、相互信頼を増進し、約束を実行に移しさえすれば、両国関係は順調に前に向かって発展していくことでしょう。

    三、手を携えて、国際金融危機に対処し、不断に中日経済貿易協力の絆を強化すること

    今現在、アメリカサブプライムローン問題に端を発した国際金融危機が猛威を振っており、一国から全世界へと波及し、先進諸国から新興国発展途上国へ蔓延し、金融分野から実体経済へと拡散し、世界各国の経済発展及び国民生活に甚大な衝撃をもたらし、中日両国の経済も深刻な影響を受けました。経済グローバル化の背景の下で、こうした金融危機を前にして、いかなる国も単独でそれを逃れることはできず、ある一国の力だけでなかなか対応できなくなっています。中日両国はともにアジア及び世界の経済大国であります。手を携えて、国際金融危機が両国にもたらした影響を共同で克服し、経済の安定した比較的速い発展を保つ必要性があり、またその実力をもっています。

    中日国交正常化三〇数年来、両国の経済貿易協力は迅速に発展し、経済的相互依存度も日増しに高まりつつあります。現在、中国はすでに日本の最大の貿易相手国になっており、日本は中国の第三番目の貿易国になり、第二番目の外資導入先となっています。日本には優れた技術があり、中国には巨大な市場と豊かな人的資源があり、中日経済は強力な相互補完性を有しています。中日経済貿易関係を絶えず強化することによって、互恵とウィンウィンを実現することは両国関係の発展にとっての客観的必要であり、国際金融危機を積極的に対応していくための差し迫った要求でもあります。われわれが見て取らなければならないことは、この国際金融危機による中日両国への衝撃は欧米のそれとはいくぶん異なるものであるということであります。中日両国はいずれも実体経済とりわけ製造業においてしっかりとした基礎を有し、比較的穏健な金融システムを備え、外貨準備高も充実し、国民貯蓄もかなりの額に達していますが、両国はともに国際的な需要の減少の影響を受け、輸出が大幅に減り、経済にマイナス影響が出ています。中日両国が外貨準備高ではそれぞれ世界第一位と第二位、経済総規模ではそれぞれ世界の第三位と第二位を占め、ともに世界貿易大国となっています。中日両国がともに手を携えて、共同で経済成長を刺激し、またエネルギー、環境保護、金融、ハイテク、情報通信及び知的財産権などの新しい分野における互恵協力を絶えず行い、両国間の経済的な絆を絶えず強化すれば、必ずや率先して危機から脱出することが可能となるでしょう。この意味において、中国の状況がよくなれば、日本の状況もよくなると言えましょう。一方、中日両国はアジア及び世界の大国として、自国経済の安定した比較的速い発展に向け全力を挙げて取り組むと同時に、全世界の金融危機対応のプロセスにおいて重要な役割を発揮し、アジア並びに世界各国が共に難局を乗り越えることを支持し、国際金融や経済の新秩序の構築を推し進め、地域及び世界の金融システムの改革と健全化を推進することによって、本地域並びに全世界の平和と安定、発展のためにしかるべき貢献をしていかなければなりません。従って、中日関係を発展させる意義はすでに両国それ自体をはるかに超えているといえるのです。

    四、人文交流をより一層拡大し、両国関係の民意の基礎を打ち固めること

    目下、中日両国関係の発展には良好な勢いが見られ、両国間の国民感情も全体的に回復し始めています。しかし、われわれが見て取らなければならないことは、国民感情問題が依然として中日の戦略的互恵関係を推し進める上で脆弱な部分となっていることです。中日両国人民が互いに相手国をどう見るかということは中日関係の社会的基礎にかかわり、両国人民が世々代々、友好を保っていけるかどうかの問題にもかかわっており、両国の経済貿易協力を強化する上での重要な条件でもあることから、それを大いに重視しなければなりません。国民感情問題を取り扱う際、両国の政治家、社会各界人士とメディアは皆両国国民に対して高度な責任をもつ精神に則って、強い憂患意識と緊迫感を持ち、実際の行動で両国国民間の感情を育んでいかなければなりません。そうでなければ、せっかく現れたばかりの芳しい傾向が各種の妨害や衝撃を受け、また失われる可能性も十分あります。

    国民感情を改善するには、政治家の方々がまず率先して模範を示さなければなりません。中日友好に関する議論は多ければ多いほどよいですが、しかし敏感な問題に論及する場合には、言行を慎まなければなりません。両国関係の発展にプラスとなる話や事柄を多く話し、多く行い、逆に、両国関係の発展にマイナスになる話や事柄は話さず、行わないようにすることが望まれます。両国関係における敏感な問題や偶発事件を慎重に処理しなければなりません。歴史的にすでに定論のある史実に対しては、歴史を尊重し、歴史を鏡として未来に向かう精神を堅持しなければなりません。まだ未解決の諸懸案問題については、戦略的な高みから、長期的に見通し、歴史に責任を持つ態度を取って、平等な対話と友好的な話し合いを通じて解決しなければなりません。両国関係の中に出てきた一部の偶発事件及び外交的なトラブルに関しては、両国国民の共通利益から出発し、理性的に対応し、それらの問題を世間の目を引く話題に発展するまで野放しにせず、ましてや矛盾を激化させず、両国の友好関係の大局の妨げとならないように善処しなければなりません。中日友好の堅固な基礎は民間にあり、中日友好の未来は青少年にあります。このため、中日双方はより積極的な態度を取って、政府間、政党間、議会間の交流を引き続き推し進めると同時に、両国の各階層、各分野とりわけ広範な青少年の間で友好交流を大いに推進し、強化していかなければなりません。

    中日関係の発展の新しいチャンスを前にして、中日友好の推進における両国のメディアの責任は重大であり、また力を発揮できる仕事がたくさんあります。この機会を借りて、私は両国のメディアに対しいくつかの希望を述べたいと思います。

    一つ目に、両国のメディアは引き続き両国及び両国の国民間の相互理解と友情の増進に新たな貢献をすることを希望します。

    近代的な交通手段、通信技術の急速な発展のおかげで、中日間の地理的距離は大幅に短縮し、両国間の各分野における交流はますます頻繁になり、とりわけ人的往来は年間延べ500万人余りに達しています。しかし、大多数の国民にとって、メディアが依然として相手国を理解し、共通認識を広げる主要なルートとなっています。真実に即し、全面的、客観的かつ公正に相手国のことや両国関係を紹介し、論評することができるか否かは両国の民意の基礎に影響を及ぼす重大な問題であることから、両国のメディアは非常に重い責任を担っているといえます。このため、両国のメディアは両国関係及び相手国を真実に即し、全面的、客観的かつ公正に紹介、論評し、両国国民の相互理解と友好感情の増進に向け積極的な役割を果たし、中日関係の継続的で健全かつ安定した発展に向け良好な世論環境を作り、確固とした社会的基礎を築き上げることを心から期待します。

    二つ目に、両国のメディアが両国関係の発展方向と主流を正しく把握し、引き続き各分野における中日互恵協力を励まし、支援していくことを望みます。

    中日両国は世界の二つの重要な経済体として、ともに手を携え、国際金融危機に対処し、世界経済の回復とアジア経済の安定的成長をともに促進する重要なチャンスに遭遇しています。両国のメディアは「平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展」の方向性をしっかりと把握し、互恵協力、共同発展のメーンテーマを前面に打ち出し、両国関係の大局に立脚し、各分野における中日互恵協力を積極的に推進するとともに、両国の国際金融危機に向けた対策を大いに紹介し、各分野における中日互恵協力の強化にプラスとなるニュースの報道に努め、中日の戦略的互恵協力の推進に資する情報を大いに提供し、両国の互恵・ウィンウィンや共同発展の成果を大いに伝達し、両国関係がさらに健全かつ安定した発展を遂げるよう励ましていくべきであります。

    三つ目に、両国のメディアが引き続き交流と協力関係を強化することを望みます。

    中日両国のメディアの交流と協力は、これまでずっと活発に行われてきました。新たな情勢の下で、両国のメディアは絶えず交流と協力の体制を完備させ、交流を強化し、協力を拡大すべきであります。引き続き「北京-東京フォーラム」を立派に運営し、「中日メディア対話」を展開すると同時に、率直かつ突っ込んだ理性的な対話ができるようなルートと形態を創出する必要があります。偶発的事件の報道において、タイムリーかつ効果的に意思疎通を図り、報道の信憑性、全面性、客観性、公正性を確保すべく、両国のメディア間で緊急時の意思疎通・協調ルートの開拓を模索すべきであります。そうしてこそはじめて、世論や国民をミスリードすることが避けられるのです。コラム、版面、チャンネル、周波数、特別番組、ニュー・メディア等における両国のメディアの協力を強化し、情報の交換や番組の交流、コラムの共同企画、共同取材などの形式を通して、中日友好交流の生きた事例を共同で掘り出し、両国の互恵協力の新しい成果と進展をより多く報道し、中日の戦略的互恵関係の発展における両国メディアの重要な役割を存分に発揮していく必要があります。

    友人の皆様

    中日友好交流の長い歴史の中に、両国の友好交流に傑出した貢献を果たした先賢たちがたくさんおり、後世の人々から慕われています。中国の鑑真和尚の日本渡航、日本の弘法(空海)大師の中国修行、阿倍仲麻呂の中国留学、並びに近代において中日関係の発展を推進した数多くの美談が今日に至っても両国の国民の間で語り継がれています。中日関係の発展の新しいチャンスを前に、中日両国のメディアは両国人民の相互理解や相互信頼を促進し、友情を深め、協力を強化していく重要な使命を背負っています。両国のメディアが両国民の共通の願いと中日の「平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展」を目指した時代の要請に順応して、交流を強化し、共通認識を凝集させ、両国民の相互理解を深める場を作り、両国の友情を増進させる掛け橋となり、両国の互恵協力と共同発展の実現のために、両国の友好関係発展に向けたよりよい環境作りのために、そして中日友好の新たな一ページを綴るために、新たな貢献をしていくことができるものと私は期待し、確信しております。

    ご清聴ありがとうございました。

    2009年3月30日



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