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程永華駐日大使,参議院議員会館で「一帯一路」について講演
2017/06/16
 

    6月6日、程永華駐日大使は参議院議員会館で「『一帯一路』の建設成果と見通し・展望」と題する講演を行った。これには自民党副総裁で日中友好議員連盟会長の高村正彦氏、公明党の山口那津男党首ら59人の国会議員が出席した。講演全文は以下の通り。

    5月14、15の両日、中国・北京で開かれた「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)国際協力サミットフォーラムは全世界の目を引き付け、29人の外国元首と政府首脳、国連事務総長らの国際組織責任者を含む130余りの国と70余りの国際組織の代表約1500人がこのサミットフォーラムに出席しました。習近平主席は日本の代表団を率いてフォーラムに出席した自民党幹事長、二階俊博先生と会見し、中日関係の改善と発展について重要な指導意見を提起し、また、日本が中国側と「一帯一路」の枠組み内での協力実施を検討することを歓迎すると表明しました。最近、われわれは日本国内の各界で「一帯一路」に関する議論が目立って増え、協力への参加を求める声も増えていることに留意しています。昨日、安倍首相は国際会議「アジアの未来」の晩餐会でスピーチし、初めて公の場で「一帯一路」建設に協力をしていきたいと考えると表明し、日本の各界と世論の幅広い関心を引き起こしました。この機会を借り、私は皆さんに「一帯一路」に関係する状況および見通し・展望を紹介したいと思います。

    まさに皆さんがご存知のように、シルクロードは古代においてアジア、アフリカ、欧州をつなぐ商業貿易ルートであり、古代中国で産出したシルク、磁器などの商品を運ぶことで名が知られ、のちに東洋と西洋の間で経済、政治、文化など多くの分野での交流を行う主要な道となりました。「一帯一路」は現代版シルクロードと呼ばれ、これはシルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードの略称で、それぞれ習近平主席が2013年にカザフスタンとインドネシアを訪問したときに打ち出しました。今日のシルクロード経済ベルトには三つの大きなルートがあり、一つ目は中国の西北、東北から中央アジア、ロシアを経て欧州、バルト海に至るもの、二つ目は中国の西北から中央アジア、西アジアを経てペルシャ湾、地中海に至るもの、三つ目は中国の西南からインドシナ半島を経てインド洋に至るものです。21世紀海上シルクロードには二つの大きなルートがあり、一つ目は中国の沿海港から南海を通り、マラッカ海峡を経てインド洋に至り、欧州に伸びるもの、二つ目は中国の沿海港から南海を通り、南太平洋に伸びるものです。2015年の統計によれば、「一帯一路」沿線の総人口は約44億、経済総量は約21兆ドルで、それぞれ世界全体の約63%と29%を占めています。

    中国はなぜ「一帯一路」建設を提唱したのでしょうか。私は日本の一部のメディアやシンクタンクがこれについて論評を加え、その中にはネガティブな声も若干含まれていることに留意しています。それらの声は、中国が「一帯一路」イニシアチブを提起したのはまさに米国のオバマ政権が「アジア太平洋リバランス(再均衡)」戦略を推進していた時期に当たると指摘し、これに基づき、それを中国が自身の利益を拡大し、地政学的に計略を巡らすものだと読み解き、さらに一部の者は単純にも「一帯一路」に「中国主導」のレッテルを張り付けました。このような観点は冷戦思考の延長だと私は考えます。「一帯一路」はもとより中国が初めて提唱したものですが、それは結局のところ古代シルクロード精神の人文的な絆を基礎とし、各国の経済協力を主要な内容とするイニシアチブであり、中国だけの「独奏曲」ではなく、各国が共に参画する「交響曲」で、各国が共に利益を受ける重要な国際公共財なのです。

    中国について言うなら、中国経済は世界経済と高度に関連し、中国の発展は世界と切り離すことができません。このため、中国は終始一貫して対外開放の基本的国策を堅持し、全方位開放の新たな枠組みを構築し、世界の経済体系に深く溶け込む考えであり、「一帯一路」は中国の対外開放拡大の重要なステップです。世界から見るなら、現在、世界経済は多くの試練に直面し、保護貿易主義が台頭し、世界の貿易と投資の伸びは依然低迷しており、ルールを基礎とする多国間貿易体制を強化する必要があります。各国とりわけ発展途上国は依然として貧困を取り除き、包摂的かつ持続的な経済成長を促進し、持続可能な発展を実現するなど共通の試練(課題)に直面しています。中国が「一帯一路」建設を提唱した狙いはインフラ建設とコネクティビティーを促進し、各国の政策と発展戦略をドッキングし、実務協力を深化させ、協調・連動の発展を図り、共同の繁栄を実現することにあります。われわれが開放的な地域協力精神を提唱し、グローバルな自由貿易体制と開放型世界経済を守ることに尽力することは、国際社会の根本的利益に合致しています。「一帯一路」建設は共同協議、共同建設、共有の原則を堅持します。沿線のコネクティビティー・プロジェクト、特に新ユーラシアランドブリッジ、中国・モンゴル・ロシア、中国―中央アジア―西アジア、中国―インドシナ半島、中国・パキスタン、バングラデシュ・中国・インド・ミャンマーの6大経済協力回廊はアジアの東部と南部という世界で人口が最も密集した地域へ放射状に広がり、経済活力に満ちた東アジア経済圏と発達した欧州経済圏を一つに結び付け、沿線各国の発展戦略のドッキングを効果的に後押しし、域内市場の潜在力を掘り起こして、各国民衆の福祉増進のために新たな発展チャンスを提供しました。その成果が世界に恩恵を及ぼしつつあります。

    2015年3月、中国政府は「一帯一路」建設の計画文書を発表し、時代の背景、共同建設の原則、枠組み構想、協力メカニズムなどの面から「一帯一路」の主張と中身を詳しく説明し、政策のコミュニケーション、インフラのコネクティビティー、貿易の円滑化、資金の融通、民心が通じるという5大協力重点を打ち出しました。現在、この5大協力重点はいずれも前向きの成果を得ています。

    政策コミュニケーションの面では、世界の100余りの国と国際組織が「一帯一路」建設に共に参加し、40余りの国と国際組織が中国と協力取り決めを結び、幅広い国際協力という共通認識を作り上げました。数日前の「一帯一路」国際協力サミットフォーラム期間中、中国はさらに関係国および国際組織と一連の「一帯一路」の協力文書または協力取り決めに調印しました。「一帯一路」戦略はロシアが打ち出したユーラシア経済連合、ASEANが打ち出した「ASEAN連結性マスタープラン」(MPAC)、カザフスタンが打ち出した「光明の道」、トルコが打ち出した「中間回廊」、モンゴルが打ち出した「発展の道」、ベトナムが打ち出した「2回廊1経済圏」(トンキン湾沿岸部)、英国が打ち出した「ノーザン・パワーハウス(Northern Powerhouse)」、ポーランドが打ち出した「琥珀の道」などの各発展戦略とドッキングを実現させ、各国の優位性が互いに補完し合っています。

    インフラのコネクティビティーの面で、中国と関係国はジャカルタ~バンドン高速鉄道、中国・ラオス鉄道、アディスアベバ~ジプチ鉄道、ハンガリー・セルビア鉄道などのプロジェクトを共同で推進し、グワダル港、ピレウス港などの港を建設し、多くのコネクティビティー・プロジェクトを計画・実施しました。2017年5月初めの時点で、中欧班列(中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車)の運行路線は51本に達し、これまでの運行本数は4000本を超え、欧州の11カ国、28都市をカバーしており、先週にはまたハルビン(黒竜江)~ミンスク(ベラルーシ)、長沙(湖南省)~ブダペスト(ハンガリー)の2路線が開設されました。現在、中欧班列はスピードが海運より速く、費用が空輸より安いという優位性により、沿線国のコネクティビティーを促進し、経済・貿易協力水準を引き上げるための重要なプラットホームとなっています。

    貿易円滑化の面では、2014年から2016年までの間に、中国と「一帯一路」沿線国の貿易総額は3兆ドルを超えました。また中国の「一帯一路」沿線国への投資は累計で500億ドルを超えます。中国企業はすでに20余りの国に56の経済貿易協力区を建設し、関係国のために11億ドル近くの税収を生み出し、18万人の雇用を創出しました。今回のフォーラム期間中、中国は30余りの国と経済貿易協力取り決めを結び、また2018年から中国国際輸入博覧会を開催すると発表しました。

    資金融通の面では、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、シルクロード基金の設立が金融協力のために強固なサポートを提供しました。「シルクロード基金」の投資は40億ドルに達し、中国と中・東欧諸国はさらに「16+1」金融ホールディング(金融持株会社)を設立し、「一帯一路」金融協力ネットワークを共に構築しました。習近平主席は今回のサミットフォーラム期間中、中国は「一帯一路」建設に対する資金支援を強め、シルクロード基金の資金を新たに1000億元増やし、金融機関が人民元海外ファンド業務を進めるのを奨励し、その規模は約3000億元になる見込みだと発表しました。中国国家開発銀行、輸出入銀行はそれぞれ2500億元と1300億元相当の特別貸し出しを提供し、「一帯一路」のインフラ建設、生産能力、金融協力支援に充てます。AIIBはすでに「一帯一路」建設参加国の9件のプロジェクトに17億ドルの融資を供与しており、今回のサミットフォーラム開幕直前にメンバー国が77に拡大しました、年末までに85に拡大する予定です。今に至るも日本の一部メディアはAIIBとアジア開発銀行(ADB)をそれぞれ中国のもの、日本のものと単純に説明していますが、実際には、この二つの多国間開発銀行はどちらも国際的に通用する準則に従って設立されたもので、決して一国のものではなく、中国はADBでも日本と米国に次ぐ第3位の出資国です。

    民心が通じるの面では、「一帯一路」共同建設のイニシアチブが打ち出されて以来、中国と「一帯一路」沿線国は「国家文化年」などの人文(人と文化)交流活動を共同で20回催し、文化交流執行計画など43件の政府間協力取り決めに調印しました。中国政府は毎年、関係国に1万の政府奨学金枠を提供し、地方政府もシルクロード特別奨学金を設け、国際文化教育交流を奨励しています。

    「一帯一路」国際協力サミットフォーラムは「一帯一路」建設の道における里程標です。それは各国が「一帯一路」について共に話し合い、共に建設し、互恵協力の成果を共有する国際的な盛会であるだけでなく、各国が国際協力を強化し、互いの発展戦略をドッキングするための重要なプラットホームを構築しました。サミットフォーラムでは豊かな成果が得られました。第一に将来の「一帯一路」の協力方向を一段と明確にしました。習近平主席はフォーラムの開幕式で「手を携えて『一帯一路』建設を推進しよう」と題する演説を行い、平和・協力、開放・包摂、相互学習・相互参照、互恵・ウィンウィンを核心とするシルクロード精神を総括し、「一帯一路」建設の進展状況を振り返って、一帯一路を平和の道、繁栄の道、開放の道、革新の道、文明の道に築き上げるとの努力方向を打ち出し、参加各国から熱い共感が得られました。円卓サミット会議の共同コミュニケも関連の理念をその中に盛り込み、幅広い国際共通認識を十分に体現しました。第二に「一帯一路」建設の具体的なロードマップを計画しました。サミットフォーラム期間中、中国は参加した国や国際組織と全面的な政策ドッキングを行い、数十件の協力文書に調印し、今後の一時期における重点分野と道筋を確定しました。「一帯一路」の壮大な青写真がはっきりと目にすることのできるロードマップに転化しつつあります。第三に「一帯一路」で実施する一群の重点プロジェクトを決めました。サミットフォーラムというプラットホームを通じ、各国の間で重量感のある成果リストがまとまりました。5大分類をカバーする、76の大項目、270余りの項目から成る具体的成果が盛り込まれ、これは「一帯一路」協力の分野がますます広がり、程度がますます深まっていることを示しています。

    日本の友人の皆さんはシルクロードに対して特別な親近感を持っています。なぜなら、シルクロードは古代のユーラシア大陸文明が日本に伝わる重要なルートだったからです。国際学術界の少なからぬ人は奈良をシルクロードの最東端の地だと呼んでいます。国連教育科学文化機関(UNESCO)の公式ウェブサイトにはシルクロードを専門に紹介する章節が設けられ、その中に古代シルクロードの沿線都市としての奈良の役割を記述した個所があり、次のように述べられています。奈良は大阪を通して海上シルクロードと結びつき、歴史の中で次第に日・中・韓3カ国の文化が交じり合う文化の紐帯および、仏教と道教が発展する宗教の中心地となり、現在奈良にある正倉院の収蔵文化財は古代日本が海上シルクロードに参加した歴史を見届けてきたのだ、と。国際社会が現代版シルクロードを建設している今日、歴史上のシルクロードの参画者として、日本はどのような役割を演じ、どのような役割を果たすのでしょうか。これは日本の社会各界が真剣に考えるべき問題だと私は思います。

    昨年、習近平主席と安倍晋三首相はG20杭州サミットとペルーAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳非公式会議の期間にそれぞれ会見し、言葉を交わし、両国関係のプラス面を拡大し、マイナス面を抑制し、両国関係の安定・改善と発展を図ることについて重要な共通認識を得ました。安倍首相は会見の中で、中国側の「一帯一路」建設とAIIB設立のイニシアチブを高く評価すると初めて表明し、双方はADBとAIIBの協調融資などの方式を通じて協力を繰り広げることができると表明しました。今年5月、習近平主席は「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに出席した二階幹事長と会見した際、次のように指摘しました。世界の主要経済体である中日両国は経済グローバル化推進と貿易自由化推進などの面で共通の利益を有している。「一帯一路」イニシアチブは中日両国の互恵協力と共同発展を実現する新たなプラットホームおよび「試験田」とすることができ、われわれは日本が中国と「一帯一路」建設の枠組み内で協力を進めるのを検討することを歓迎する――と。安倍首相は二階幹事長に託した習近平主席への親書の中で、日中の「一帯一路」協力を後押しするとの前向きの意向を一段と明確に表明しました。楊潔チ(竹かんむり+褫のつくり)国務委員は先ごろ日本を訪問した際、安倍首相と日本の各界に対し、上述の立場を再度改めて表明しました。安倍首相は昨晩初めて公の場で、日本が「一帯一路」協力に参加することについて前向きの意向を示しました。双方のこれらの前向きな相互作用(インタラクション)は中日両国が今後、幅広い分野の互恵協力を進め、両国関係の改善・発展を図る上で重要な先導的役割を果たすものだと私は信じています。

    日本の社会にはいまなお「一帯一路」の開放性と包摂性に疑問を持つ人が少なくありません。地理的概念から見るなら、「一帯一路」は中国から西に向かって延伸し、沿線の多くは発展途上国や新興国です。しかし、中国は「一帯一路」を提唱した当初から開放・協力、調和・包摂、市場原理、互恵ウィンウィンの基本原則を打ち出しており、「一帯一路」がもたらすインフラ建設、エネルギー、交通などの市場は、日本を含む先進国および非沿線国にも巨大なビジネスチャンス(商機)を与えます。これは米州諸国が「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに次々に出席したことの原因でもあります。中日が共に位置する東アジアは現在世界で発展が最も速く、最も発展の可能性を秘めた地域です。同時に、アジアのインフラ建設需要が急速に増大しており、ADBの見積もりでは2016年から2030年までのアジアのインフラ建設の資金需要は年平均1兆7000億ドルに達し、中日両国が多くの分野で協調・協力する空間は非常に広大なものです。双方は新たな戦略的思考を展開し、国際社会による「一帯一路」共同建設という現在の歴史的チャンスをしっかりとつかみ、貿易・投資、財政・金融、コネクティビティーなどの分野の協力を強化し、手を携えて第三国市場を切り開き、両国の実務協力のためにより多くの新たな成長ポイントを見つけ出すべきであり、同時にまた、各自の発展を実現しつつ、地域ひいては世界の平和と繁栄のために共に貢献することができます。

    日中議連は日本の国会における最大の超党派組織の一つであり、皆さんが世界および地域の協力、互恵ウィンウィンの視点から、「一帯一路」イニシアチブを正確に認識し、これに向き合い、また日本自身の発展と中日の協力深化の視点から、両国各界が「一帯一路」の枠組み内で協力を進める方式、道筋、見通しについて前向きに検討することを期待しております。

    ありがとうございました。

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