2005年3月31日外交部劉建超報道官記者会見
2005/04/01

 

 2005年3月31日、中国外交部劉建超報道官の記者会見、日本関係の一問一答は次の通り。

 問 中国メディアの報道によると、中国東北の長春、瀋陽などでアサヒビールなど日本製品のボイコットが起こったが、きょう午後、アサヒビールは声明を発表し、いわゆる歴史教科書に関する一連の報道を否定した。これについてどう考えるか。

 答 中日間の経済・貿易協力は過去数十年、急速に発展し、両国に実益をもたらした。われわれは中日間の経済・貿易問題が政治問題化することを望んでいない。このため日本各界が歴史問題で正しい姿勢をとるよう希望する。

 問 中日間では最近、歴史問題をめぐって多くの摩擦がある。こうした状況の中で、卓球の福原愛選手があす、中国遼寧チームに加入し、今後、中国のプロリーグに出場する。中国の高いレベルのプロリーグに出場する初の日本選手となる。福原選手は日本で非常に人気がある。中国チームへの加入は現在の中日関係に影響を与えるだろうか。

 答 有名な福原愛選手は日本のファンだけでなく、中国の多くの卓球ファンにも人気がある。われわれは福原選手の遼寧省のクラブへの加入を歓迎する。福原選手が中国のリーグ戦に出場し、良い成績をあげ、また中国で楽しく生活するよう希望している。同時に、こうしたスポーツ、文化交流が中日両国人民の相互理解と友好を一層深めるとともに、中日両国間の関係改善に一定の役割を果たすよう希望している。

 問 中日間の領土論争問題について質問したい。数日前、日本の調査団が沖ノ鳥島に上陸して調査を行った。これに対し、どのような立場をとるのか。日本の調査団のこの動きをどうみるか。

 答 中日間の沖ノ鳥岩礁をめぐる論争はその排他的経済水域問題であり、岩礁自体の問題ではない。「国連海洋法条約」第121条の規定によると、岩には排他的経済水域を主張する条件がない。条約の具体的条文は2つある。第1、島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるものをいう。第2、人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。この2カ条の条約原文は、一つの概念を構成している。日本が沖ノ鳥岩礁について主張できるとする海域の性格、範囲とは認識が異なっており、われわれは双方が友好的協議を通じて、これによって生ずる問題を適切に処理すべきだと考える。

 問 中国が東海の石油・天然ガス開発をやめなければ、東海の石油・天然ガスを単独で採掘する、と日本が表明していることをどうみるか。

 答 中日間ではまだ東海の境界線が画定されておらず、双方は境界線画定問題で双方の立場には食い違いがあり、われわれは対話と交渉を通じて問題を解決することを一貫して主張している。日本側が東海の係争地域で採掘行動をとると表明していることに、われわれは重大な関心をもち、日本側に冷静な対応を求めている。われわれは「係争棚上げ、共同開発」の原則で問題を解決することを主張している。これは東海問題解決の正しい選択である。

 問 さきほど中日間の経済・貿易問題が政治問題化するのを望まないと言われたが、まったく同感だ。アサヒビールの会長には個人の言論の自由があり、彼の発言でアサヒビールが中国でボイコットされたのは、経済・貿易問題の政治問題化であると考えるが、どうか。

 答 実際、これもわれわれが一貫して関心を寄せている問題である。中日関係、特に政治関係には現在、不正常な状況がいくつかみられる。日本が歴史問題に正しく対処できないことが中日間の多くの問題の根本原因である。まさに中日間の各方面の関係が円滑、健全に発展するよう、われわれは日本側が歴史問題の正しい対処と処理によって、両国人民の友情増進、両国関係の改善と発展、経済・貿易関係を含む各方面の協力促進のために確実に努力することを希望しているのである。われわれは協力が政治問題の影響を受けることを望んでいないが、しかし政治、歴史問題を避けることはできない。

 問 欧州連合(EU)の対中武器禁輸解除が遅れているのは米国と日本のせいだというのが中国政府の立場か。

 答 この問題に対する米国と日本のこれまでの態度をみると、その態度と果たしている役割はいずれも後ろ向きのもので、その態度は中国とEUの関係発展にマイナスであり、道理もないものである。中国がEUに対中武器禁輸解除を求めるのは、いかなる第三国に敵対することでもなく、米国、日本に敵対することではない。われわれは米国と日本が後ろ向きの態度をとることに断固反対する。

 問 東海石油・天然ガス田問題について、日本が探査、ボーリング作業を始めたら、中国はどのような対応をとるのか。

 答 われわれは日本に、この問題を複雑化させるいかなる行動もとらないよう求める。

 問 アサヒビール問題に関連し、以前、中国は日本の安保理常任理事国入りに反対するかとの質問に、あなたは、これは反日感情ではないと表明した。今回のアサヒビールのボイコットをどうみるか。

 答 中日両国人民の間には2000年近い交流の歴史があるが、両国人民は長い期間、ほとんど友好的に付き合ってきた。中日友好は中国人民の願いであり、日本人民の願いでもある。中国には日本人民に反対する感情はないと考える。中国の市民が日本側の一部の姿勢に不満を表した主要な原因は、日本側が歴史問題で正しい姿勢をとらず、正しく、客観的、責任ある態度で歴史に対処していないことにある。一部の中国民衆はこの問題で不満をもち、さまざまな方法でその気持ちを表している。それは日本人民に対するものではなく、日本側の誤った姿勢に対するものである。